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マンガ・アニメを保護して競争力を保つ政策をとるべき

 マンガ・アニメ・ゲームというのは、サービス分野で唯一、日本が世界でトップの競争力を持っている分野である。それが分かっているからこそ、政府も補正予算にアニメの殿堂(国立メディア芸術総合センター)の建設を採り入れたのだろう。しかも、計算は難しいものの、この分野は現在でも何兆円というマーケットであり、将来は確実に何十兆円のマーケットになる。

 なかでも、経済大国となりつつ中国においては、知的所有権を保護しなくてはならないという認識がようやく広がってきた。今までタダで流出していたものが、すべてカネになるのだ。そんなさなかに、日本政府はマンガ・アニメの存亡にかかわる規制を断行しようとしているのである。その産業戦略のなさにはあきれるばかりだ。

 麻生内閣はいったい何を考えているのか。117億円もかけてアニメの殿堂を建設するという一方で、この法案のなかでアニメ保護をきちんと打ち出さないのは政策矛盾である。そもそも、このまま児童ポルノが拡大解釈されてしまったら、アニメの殿堂に収納するマンガ・アニメがなくなってしまう。

 わたしは法案の趣旨自体は賛成であるが、あまりにも拙速であり、内容がずさんすぎる。最終合意する前に、マンガ・アニメ・ゲームをこの法案からいかに隔離するかを考えるべきだ。修正するのはそれほど難しい作業ではないだろう。

 このコラムの読者の方々は、もしかするとこの話題を初めて目にしたかもしれないが、オタクやアキバ系人間の間では、以前から問題となっている。おかげで、秋葉原での内閣支持率が激減したといわれているが、自称アキバ好きという麻生総理はそのことを知っているのだろうか。

森永卓郎(もりながたくろう)
森永 卓郎 1957年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁総合計画局(出向)、三井情報開発総合研究所、三和総合研究所(現:UFJ総合研究所)を経て2007年4月独立。獨協大学経済学部教授。テレビ朝日「スーパーモーニング」コメンテーターのほか、テレビ、雑誌などで活躍。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。そのほかに金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。日本人のラテン化が年来の主張。

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皆様からお寄せいただいたご意見

もっと広く知らせるべきニュースですよね。
つい最近、周囲ではあまり知られていないことに愕然としました。
サザエさんがないと日本の月曜日はやってきません。
それはそれで素敵かもしれませんが、休日と平日の切り替えというか、そういう位置にまでアニメ・マンガ・ゲームといった文化は日本人の中に浸透しているんです。
いやホントに、もう…

僕のオカズを返して下さい(鶴丸・兄)(2009年07月16日 20:21)

今の萌え漫画萌えアニメブームと人気で、真面目な表現をしたいって言う人の作品が圧されているって事はないの?(2009年07月16日 19:43)

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