【社説】国のイメージを失墜させた韓国学支援事業
外交通商部傘下の国際交流財団は昨年12月、日本の立命館大学、米国のミネソタ大学、ドイツのライプチヒ大学など、海外7大学からの申請を受け、韓国学研究の支援を行うことを約束した。ところが経済状況が悪化したことやウォン安などを理由に、今になってこの約束を取り消した。立命館大学の場合、国際交流財団から14万ドル(約1320万円)の支援を受ける約束が交わされており、日本の大学の中では最初に韓国学の正規講座を開設して担当教授を採用することもすでに決まっていた。同大学は最近、すでにスケジュールまで決まっていた韓国学国際シンポジウムの開催を取り消したという。
韓国に対する理解と国のイメージを高めるために行われるはずだった韓国学支援事業が、すでに取り交わされた約束を破って相手を失望させただけでなく、国のイメージにも大きな傷をつける結果となった。国際交流財団が支援を取り消した理由は、韓国国内の経済事情の悪化やウォン安の影響らしい。しかしこれらは昨年12月に支援対象を選定する際、すでに十分予想できたことだ。国際交流財団と同じような業務を行う日本の国際交流基金は1972年に設立されて以来、為替の変動といった理由で支援の取り消しを行ったことなどない。このような事態に備えるための資金もあらかじめ準備しているという。
国際交流財団の予算は、昨年は746億ウォン(約55億円)だったが、今年は1124億ウォン(約83億円)に増額された。しかし海外での韓国学基盤拡大のための予算は、昨年は118億ウォン(約8億7000万円)だったのが、今年は89億ウォン(約6億6000万円)へと逆に減っている。経済事情の悪化や為替の変動など、外部の要因を理由に弁解を重ねているが、これは表向きの大義名分作りにすぎず、実際は国際交流財団自らが、海外の韓国学支援事業を優先順位から外しているからだ。
国際交流財団が今年に入ってから支援を行おうとしていた海外の韓国学研究機関は、52カ国143カ所に達する。このような少額多件のやり方では、中味の伴った研究はおそらく難しく、せいぜい韓国学という看板を維持する程度に違いない。1992年に支援事業が始まって以来、13カ国66の大学に93人の韓国学関連教授が採用されたというが、そのほとんどは一つの大学が一人の教授を採用する程度で、これでは将来的に韓国学を発展させることなど難しいだろう。
韓国学中央研究院も毎年およそ35億ウォン(約2億6000万円)を韓国学の支援に使っている。2006年と07年にはハーバード大学、UCLA、UCバークレー、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学などがここから支援を受けた。ところがこれらの大学は国際交流財団からもすでに支援を受けていたという。国ごとに重点支援対象を1カ所か2カ所選定するとか、あるいは地域や大学の特性を考慮した独自の支援を行うなど、新たな方法で支援事業を行うべき時を迎えている。
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