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きょうのコラム「時鐘」 2009年7月16日
石川県産ブドウの新品種「ルビーロマン」が、ことしも話題を呼ぶ。1房21万円ものご祝儀相場となった。1粒が7千円
おいしいステーキが食べられる値段である。ドジョウのかば焼きなら、とても食べきれない。ため息と共に、たわいもないことが頭をめぐる。いつの日か相伴にあずかれる、と夢を見るくらいはいいだろう 1個数十万円もする夕張メロンに、堂々肩を並べるぜいたくな美味である。そういえば宮崎産の完熟マンゴーという高価な果物もある。知事が先頭になってテレビカメラの前で宣伝に努め、名前は広く知れ渡った そのまんまマンゴーの売り込みに精出していればいいものを、国政の舞台に色気を出して一騒動を起こし、自民党役員の辞任騒ぎまで招いた。都議選を「総選挙の前相撲にされた」と怒ったのは石原都知事だが、その前相撲の土俵をかき回した1人である コメディアンの腕を磨いた人らしく、最後は逆風にずっこけて退場という気配である。「ワイドショー」が飛び付く政治劇は、確かに耳目を集める。が、たいがい失笑だけを残して終わる。笑えぬ喜劇である。 |