交通事故で家族を失った人たちの体験記を集めた文集が、県交通災害遺族会から発刊され、辻井和郎会長を取材した。辻井さん自身、25年前に交通事故で息子を亡くした経験を持つ。
あまりにもつらく悲しい思いがつづられた体験記は、どれもが一人一人の安全運転を願う言葉で締めくくられる。
私は毎日のように車を運転する。寝不足の時はミントガムをかむなど、特に気を張っているが、運転中ひやっとすることもしばしば。今でも亡き息子のことを考えると、こみ上げる涙をぐっとこらえるという辻井さん。「安全運転を心掛けよう」。その言葉に25年分の重みを感じた。(岡)
毎日新聞 2009年7月7日 地方版