【上海=下原口徹】英豪資源大手リオ・ティント社員が中国との鉄鉱石価格交渉にからみ国家機密に関するスパイ容疑で中国当局に身柄を拘束された事件が波紋を広げている。15日付の中国英字紙チャイナ・デーリーなどが消息筋の話として報じたところによると、リオは中国鉄鋼メーカー16社の機密情報を握る人物を特定。鉄鉱石の価格交渉を有利に進めるデータを入手するためわいろを贈り、鉄鋼メーカー幹部もわいろを受け取っていたという。
事実ならば交渉に臨んだ宝鋼集団など16社すべてがリオ側からわいろを受け取っていたことになる。大手鉄鋼メーカー幹部が拘束されるなど、国際的な贈収賄事件に発展する可能性もでてきた。
首都鋼鉄の幹部が身柄を拘束されたほか、宝鋼集団や鞍山鋼鉄などの経営幹部が取り調べを受けているもよう。中国鋼鉄工業協会も調査対象になっているという。中国とリオの鉄鉱石を巡る価格交渉は難航。交渉期限の6月を過ぎてもまとまらないなどぎりぎりの交渉を続けていた。
(15日 23:44)