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2009/07/14

電気グルーヴ結成20周年祭終了!豪華ゲスト迎え約4時間

タキシードに身を包んだ電気グルーヴ。MCでの第一声は「こんばんは! 汚いPerfumeです!」という自己紹介だった。

電気グルーヴが結成20周年を記念したワンマンライブ「俺っちのイニシエーション」を7月11日に東京・LIQUIDROOM ebisuで開催。トークが4割強を占めるという構成で、詰め掛けた多くのファンを前に3時間45分にわたる長丁場のステージを繰り広げた。

時刻が19時を回ると会場内にドラマ「古畑任三郎」のメインテーマが流れ、前説としてお笑い芸人のハリウッドザコシショウが登場。「ハンマーカンマー」という謎の言葉のみで構成された、デフォルメされすぎて全く別人となった古畑任三郎のモノマネでフロアを温めた。なおザコシショウは電気グルーヴの大ファンであり、昨年4月1日に同じくLIQUIDROOM ebisuで行われたワンマンライブ「こう言えば三太夫」にもチケットを入手して参加していたとのこと。

ザコシショウによる「もしも古畑が蚊だったら」などのまったく中身のないショートコントが終了すると、続いて舞台後方のスクリーンにて初公開となる映像作品「ピエール瀧の体操42歳」の上映が開始された。これは以前発表された「体操30歳」「体操36歳」に続き6年ぶりに制作されたシリーズ第3弾で、ピエール瀧がさまざまな衣装に身を包んで奇妙なダンスを踊るというもの。今回は過去2作に登場していた西井健一(瀧の元マネージャー)の出演はなかったが、いつまでも変わらない圧巻のくだらなさで会場を爆笑の渦に包んだ。

映像が終わると、いよいよ電気グルーヴの2人とサポートのKAGAMIがタキシード姿でステージに登場。さっそく1曲目から8月19日にリリースされるニューアルバム「20」からの新曲が演奏されるが、しかし歌い出しのタイミングがわからず「ゴメン! 間違えたからもう1回やるわ!」と計3回も入場シーンからやり直すというグダグダぶりで20周年記念ライブは幕を開けた。序盤のセットリストはすべて新曲となっており、「前髪を垂らした知らない動物が便所から覗いている」という怪奇ソング「電気グルーヴ20周年のうた」や、ワウギターが印象的なファンクチューン「タランチュラ」、そして「ポンコツ幻想曲」「何枚だ?」「エキゾティカ」と歌もの5曲を続々と初披露。DEVICEGIRLSによって制作されたムービーと楽曲がシンクロし、同会場ながら昨年4月のLIQUIDROOM公演とはまったく異なった雰囲気のパフォーマンスとなった。

最初のMCでは、高校時代のTOTO好きの友人についてのエピソードや、立川談志のモノマネについて、トーマス・シューマッハがMr.ChildrenのことをMR.BIGのパロディバンドと勘違いしていた件、ガンダムのアニメ音声がそのまま入ったレコードの話など、ライブとは関係のない話題を何の脈絡もなく次々と披露。卓球は思いつくままの言葉やダジャレを機関銃のように発し続け、「このトーク全部拾ってたら頭狂うぜ」と観客に警告。「ポッと出のキチガイとは違うでしょ。なんたってキチガイで20年間食ってきてるからね」と自慢げに語った。

次のパートでは寺尾聰の「ルビーの指輪」を意識したというシティポップ調の新曲「エンジのソファー」(仮タイトルは「TOBYの浮き輪」だったとのこと)を経て、なんと犬に噛まれて死んだことになっていた演歌歌手・瀧勝が奇跡の復活。ドラムンベースのリズムが加わった新しいアレンジに乗せ、着物姿で熊手を持った彼が1991年発表の代表曲「人生」をひさびさに熱唱した。ちなみに今回のライブではこの曲の間奏部分の語りが、「性風俗店に行ったらローションがありませんでした。だからこう言ってやったんです。ハチミツを持って来ーい!」といった内容に変更されている。

続いての「モテたくて…」にはゲストボーカルとして、ピエール瀧と天久聖一によるユニット「イボピアス」が登場。この曲ではバニーガール衣装に戦国武将カブトといういでたちの天久がメインボーカルを務め、レオタードの股間から具がはみ出した瀧とともに、20年のキャリアの重みを感じさせる堂々たるパフォーマンスを繰り広げた。さらに次なるゲストとして、1stアルバム「FLASH PAPA」発売と同時に脱退した初期メンバーのCMJKが、電気グルーヴのステージに18年ぶりにキーボーディストとして参加。「FLASH PAPA」制作当時に卓球、瀧、CMJKの3人がマンチェスターで共同生活していた頃のエピソードなどの思い出話や、CMJKが今いかに儲かっているのかなどについて語られた。CMJKを迎えてまず演奏された楽曲はファンクラブ会員限定配布CDの収録曲「電気グルーヴインフォメーションの詩」で、今回披露されたのはCMJKがこの日のライブのために制作した新バージョン。続く「マイアミ天国」では卓球、瀧、CMJKが肩を組んで「Everybody sampling」と熱唱した。

CMJKの退場後にスタートした「DISCO UNION」では、後半にマイケル・ジャクソンの「SMOOTH CRIMINAL」をマッシュアップ。瀧もマイケルを真似て、斜め45度に傾くポーズをとろうとしてそのまま転倒したり、曲に合わせて「THRILLER」を思わせるダンスを踊るなどし、先日急逝したキング・オブ・ポップを電気グルーヴらしい形で追悼するパフォーマンスとなった。これに重ねてさらに「クルクルミラクル」のイントロが流れ、ステージに3人目のゲスト篠原ともえが登場。彼女は「電気ビリビリ」で卓球のパートをラップして瀧との掛け合いを披露し、スモークマシンでステージに煙を撒き散らしたり、機材を置いた台の上に登って踊ったりと天真爛漫な振る舞いでフロアを熱狂させた。

その後のMCは篠原を交えて3人で展開。「篠原が卓球に買ったばかりのデジカメを預けたら、返してもらったデジカメにプロテクトがかかった状態で卓球の肛門の接写が保存してあって、消したくても誰にも相談できなくて大パニックになった」というほのぼのエピソードや、「篠原がデビュー当時すごくかわいかったので卓球が顔をペロペロ舐めてたら、篠原の母親にすごく怒られた」といったハートウォーミングな秘話を明かし、これについて卓球は「納得いかねえよな。こちとらアーティスト様だぜ? 今だったら中田ヤスタカだってベロンベロン舐めてるんだぜ?」と当時を振り返って遺憾の意を表明した。

続くパートでは昨年発表された2枚のアルバム「J-POP」「YELLOW」からの、「さんぷんまるのうた」「ズーディザイア」「モノノケダンス」といった楽曲を立て続けにプレイ。「Acid House All Night Long」は途中からKAGAMIの代表曲「Tokyo Disco Music All Night Long」と混じりあい、より激しさを増したアレンジでフロアを沸かせた。これらの新しい楽曲で会場を盛り上げつつ、そのままの勢いで「MUD EBIS」「Bingo」といった初期のナンバーにノンストップで突入。MCでの彼らの無駄話ぶりはますますヒートアップしており、ライブはこの時点ですでに開演から2時間半が経過していた。

卓球が瀧に「知っとるケ」のモノマネを強要し、「知っとるケ」状態になった瀧が踊りながらVJブースまで歩いていったところで「ジャンボタニシ」が突然スタート。「あすなろサンシャイン」に続いて披露された「CATV」では、瀧が自転車の空気入れの先をくわえてトロンボーンのように“演奏”していたが、うらやましかったのかそれを見ていた卓球が、瀧の空気入れを奪い取って同じように演奏を試みるという一幕もあった。この次の「誰だ!」「かっこいいジャンパー 」でライブ本編は終了。スクリーンにはドイツ語で「ありがとう」を意味する「DANKE SCHÖN」という文字が大きく映し出された。

すでに時刻は22時10分をまわっていたが、盛大なアンコールを受けて再び卓球、瀧、KAGAMIが再びステージに登場。ここで彼らは、何が入っているのかわからない謎のCD-Rをフロアに向けてばらまきはじめ、観客は踊りと笑いで疲れた体を引きずってエサを求める鯉のごとくステージ前に群がった。この後2人は「猪木のモノマネしながら普通のこと言うと面白いよね。休憩ですかー! お泊りですかー!」「ねえ、チンチンの音、聞く?」といった居酒屋の個室のようにリラックスしたトークをさらに25分近く展開。最後にノスタルジックな歌もの新曲「フォックス」、そして「カメライフ」を披露して、笑いと狂気に満ちた結成20周年パーティに幕を下ろした。



■関連アーティスト

KAGAMI
電気グルーヴ

(ナタリー)

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