2009年7月16日1時3分
愛知県日進市のアパートで、生後4カ月の次女を死なせたとして傷害致死罪に問われた母親の北川育子被告(28)に対し、名古屋地裁は15日、懲役3年執行猶予4年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。次女は双子の妹。被告は育児に家族からの協力を得られず、保健師らに相談しても不安や焦りは消えなかった。佐々木一夫裁判長は「結果は重大だが、周囲の援助を得られないなど過酷といえる育児環境で、被告1人に責任を負わせるのはまことに酷だ」と述べた。
判決などによると、北川被告は昨年12月、自宅であやしていた次女が泣きやまず、日頃の育児の不安やいら立ちが相まって、床に敷いた布団に2回打ちつけて死なせた。
被告は昨年7月末に出産。次女は未熟児だった。夫は宗教活動に熱心で、仕事から帰った後や休日も育児の手助けはほとんどなかった。同居の実母は病気で、被告が日常生活の世話をしていた。義母は近くに住んでいたが、双子の面倒を見てもらうことには遠慮があった。
次女は母乳を飲まず、長女との体重差は開く一方で、不安や焦りが募った。夜中に長女が泣き出すと、次女も一緒に泣きだした。実母の世話もあり、昼間も眠れず、子どもが泣くことを恐れた。夫に悩みを打ち明けたが、取り合ってもらえず、保健師らに相談したが、不安は解消されなかった。多胎児の母親のサークルにも参加したが、同じ悩みの母親は見つからなかった。
子どもへのいら立ちを自覚し、1人にならないよう気をつけていたが、手伝いに来ていた義母が急に帰宅。その直後に双子が泣き出し、次女に手をかけた。
被告は公判で「もっと家族にSOSを出していればよかった」と後悔の思いを語った。同じ日の証人尋問で、夫は今後、育児への協力を約束した。弁護人は執行猶予の付いた判決を求めていた。