一度は沈静化した振り込め詐欺が、今年に入り再び急増している。県警が今年1~3月、県内で認知した振り込め詐欺は前年同期比23件増の93件で、人口が約2倍の茨城県(95件)に迫った。人口10万人当たりの発生件数は北関東3県で最も多い。県警は今月、刑事部内に「振り込め詐欺等捜査班」を発足させ、急増する詐欺への捜査体制を拡充させている。【山下俊輔】
07年、県内の振り込め詐欺の被害金額は約3億4000万円で、前年より44%(約2億6300万円)の大幅減だった。しかし今年に入ると状況は一転。1~4月の被害は116件・約1億7500万円で、前年同期に比べ22件・約7900万円増えた。
だます手口は、電話で家族を装い現金を振り込ませる「オレオレ詐欺」が37件で最も多く、融資話で保証金などを振り込ませる「融資保証金詐欺」が36件で続いた。
被害が後を絶たないことを受け、県警は今月15日付で、捜査2課内に課長補佐以下計11人体制の「振り込め詐欺等捜査班」を発足させた。振り込め詐欺捜査の専従班の設置は県内で初めて。多くのケースでは違法売買される携帯電話や銀行口座が使用されるため、実行役の特定が困難とされるが、捜査班は得られた手掛かりで容疑者検挙に全力を挙げる方針だ。
県警本部で21日に開かれた定例記者会見で、高田健治・刑事部長は振り込め詐欺の被害が県内で多い理由について「純朴で愛情豊かな県民性」と、県警独自の分析を披露した。根拠として、教育関係に支出月額3万6027円(全国2位)、1人当たりの年間所得310万1000円(全国6位)、葬儀費用平均額165万円(全国3位)などのデータを挙げ、県民の所得が相対的に高く、家族に対しお金を惜しまない特徴があると指摘した。
オレオレ詐欺の場合、「携帯電話番号が変わった」と相手が告げてくる例が多いことから、県警は「息子や孫の元の携帯電話番号にかけ直すことを心掛けて欲しい」と呼び掛けている。
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◆08年1~4月の振り込め詐欺の発生状況◆
発生件数 被害額
オレオレ詐欺 37件(+5) 7656万円(+1861万円)
架空請求詐欺 28件( 0) 5104万円(+3271万円)
融資保証金詐欺 36件(+2) 3500万円(+1530万円)
還付金詐欺など 15件(+15) 1229万円(+1229万円)
計 116件(+22) 1億7490万円(+7892万円)
*カッコ内は前年比
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◆県別の振り込め詐欺の発生状況◆
人口 件数 発生度合い
栃木 約200万人 93件 4.62件
茨城 約290万人 95件 3.20件
群馬 約200万人 75件 3.72件
福島 約200万人 21件 1.02件
※1~3月実績。発生度合いは、 人口10万人当たりの発生件数。
毎日新聞 2008年5月22日 地方版