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北朝鮮の貿易拠点、マレーシアにシフトか(上)

元金融制裁担当者インタビュー

 2005年にマカオの銀行、バンコ・デルタ・アジア(BDA)で北朝鮮の資金2500万ドル(現在のレートで約23億4000万円)が凍結された金融制裁で、米財務省対北朝鮮制裁チームの経済顧問として活動していたウィリアム・ニューコム氏が13日、朝鮮日報の取材に応じ、今後の対北朝鮮金融制裁の行方を予測した。

 ニューコム氏は、北朝鮮の貿易拠点がマカオからマレーシアに大きくシフトしたとの米財務省の見方を明らかにした上で、フィリップ・ゴールドバーグ対北朝鮮制裁調整官が最近、マレーシアの首都クアラルンプールを訪問したこともそうした理由からだと分析した。その上で、「米財務省はマレーシア以外にも、タイ、インドネシア、シンガポールが北朝鮮の主な貿易拠点として利用されてきたことに注目しているはずだ」と指摘した。

 ニューコム氏は05年から3年間、スチュアート・レビー財務次官(テロリズム・金融情報担当)やダニエル・グレーザー財務副次官補を補佐する経済顧問として活躍し、昨年財務省を退任した。ニューコム氏は米国の対北朝鮮金融制裁のカギになる中国の役割について、「中国の銀行当局は国際社会で良い評判を得なければならないことをよく知っており、国際規定に合わせようとしているが、中国政府内部にさまざまな異論があることが問題だ」と指摘した。

 以下はニューコム氏との一問一答。

-レビー次官とグレーザー副次官補の役割は何か。

 「レビー次官は米国の金融システムに対する脅威を防ぎ、テロリストに関連する資金ルートを遮断する任務を統括している。グレーザー副次官補は実際の問題に関連するプランを提示し、実行する役割を担う。レビー次官は2日間で3カ国を訪問するほどエネルギーに満ちた人物だ」

-BDA資金凍結はどう展開したか。

 「北朝鮮と関係するBDAは米国の銀行2行と取引があった。その2行をはじめ、米国の銀行がBDAと取引を行えばリスクに直面する可能性があると警告するため、米財務省はBDAをマネーロンダリングの恐れがある金融機関に指定した。ほかの政治的意図があったわけではなく、米国の金融システムを守るための措置だった」

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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