大阪ニュース

なにわなんでも大阪検定 企画会議座長に聞く

2009年7月16日

 「江戸時代、枚方や高槻などを拠点に、淀川を往来する三十石船などに近づき、威勢のいい掛け声で飲食物を売っていた舟を何と言うでしょうか」。(1)どうでっか船(2)こうてんか船(3)のまわんか舟(4)くらわんか船−。

議論を重ね「なにわなんでも大阪検定」の公式テキスト『大阪の教科書』を監修した橋爪座長
「なにわなんでも大阪検定」3級に挑戦した受験者=6月21日、大阪市住吉区の大阪市立大杉本キャンパス(大阪商工会議所提供)

 大阪を「再発見」する機会を提供しようとスタートした「なにわなんでも大阪検定」(大阪商工会議所主催)。歴史からサブカルチャーまでカバーした大阪の「ご当地」検定で、第1回公開試験が6月21日に大阪市立大と大阪工業大で実施され、3級と2級を合わせた受験者数は5822人に上った。平松邦夫大阪市長が受験するなど話題にもなり、試験結果は8月5日に受験者に発送される。

 大阪検定企画会議座長の橋爪紳也・大阪府立大特別教授に検定の狙いと今後を聞いた。

 −検定実施の狙いは。

 「ステレオタイプの大阪がメディアを通して増幅されており、大阪人も甘んじてきた。大阪の本当の価値が大阪人にも知られていない。検定自体が目的ではなく、検定を契機にわが街のことをよく知ってもらい、自信をもってもらいたい。街づくりに参加するなど街を愛する人が増えてくれれば」

 −問題の作成で心掛けたことは。

 「他の検定は歴史関連中心だが、大阪検定は食文化や街歩き、サブカルチャーまで網羅した。(漫画の)『じゃりン子チエ』が問題になることも大阪らしいのでは。問題を公募し、モチベーション向上にも留意した」

 −今後の展開は。

 「試験結果を見て、難易度が適切だったかどうかを考える。個人的には、試験を受けるだけでなく、受験者同士が交流できる場を提供できればと思う」

    ◇

 ○…記者も2級を受験したのだが難しく、知識の偏りを実感した。来年も受験者数増加に協力だ。役立ったのは街歩きで、実際に現地で見聞きしたことは記憶に残っている。でも、楽しかった。偶然席が隣り合った人とも話が弾む。答え合わせをさかなに、大阪話で一杯というのも悪くない。来年はぜひご一緒に。