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事実無根!「四季報」にかみついた上場企業、実は…

編集長を直撃すると…

 個人投資家のバイブル「会社四季報」(東洋経済新報社)の記載内容を「事実ではない」と切って捨てる企業が現れ、ちょっとした話題になっている。記載内容が事実と異なる場合、四季報は公式サイト上ですぐに訂正するのだが、今回は訂正する気配がない。気になったので調べると、企業側の“勇み足的な対応”が背景にあることが分かった。

 四季報に事実無根とかみついたのは、日本証券新聞社を傘下に持つ、東証マザーズ上場の投資情報会社「ドリームバイザー・ホールディングス」(東京)。

 四季報の最新号(2009年3集 夏号)はドリームバイザーの状況について、「財務支援も水面下」と指摘。

 これに対して、同社は6月15日、「『財務支援も水面下』とする内容がありましたが、そのような事実は一切ございません」「(東洋経済から)取材を受けた事実はございません」との辛口リリースを公表した。取材を受けずに間違ったことを書かれた−といっているわけだ。

 四季報も限られた時間の中で作成されており、ミスが出ることはある。ミスを見つけた企業はその旨を情報開示するとともに、四季報側に指摘。四季報側は公式サイト上でミスを訂正するというのが一般的な流れとなっている。

 ところが、ドリームバイザーについては訂正する気配がまったくないのである。なぜなのか。四季報の安西達也編集長を直撃すると…。

【東洋経済側へ確認せず】

 「財務支援も水面下」という記載は「10年6月期業績見通しで、ドリームバイザーのフィナンシャルアドバイザー事業が収益に貢献しないことを示したもの」で、内容に誤りはないというのが四季報側の見解だ。安西氏によると、この記載に関し、「ドリームバイザーから問い合わせも抗議もきていない」という。

 あれだけの辛口リリースを出しておきながら、抗議がきていないというのも不思議な話だ。

 ドリームバイザーの奥山泰専務を直撃すると、四季報の「財務支援も水面下」という記載を、ドリームバイザーが増資などの財務支援を受けても経営は沈んだままという意味にとらえ、リリースを出したという。

 四季報側は個別の事業がパッとしないということを言いたかったのに対し、ドリームバイザー側は会社の財務状態がものすごく悪いと受け取ってしまったわけだ。

 先の奥山専務は「誤解を招く書き方はいかがなものか。(否定のリリースを出したあと)東洋経済から連絡があってもよかったはず」と語る。

 が、市場の見方はちょっと違う。証券関係者は「手順としてはまず記載内容を東洋経済側に確認し、その上で事実と違うなら東洋経済に訂正を求め、リリースでその旨を公表するのが筋だろう。やみくもにリリースを公表し、その後は音なしの構えでは、投資家に混乱が生じる恐れがある」と指摘する。

 ドリームバイザーは1999年設立。インターネットを通じて投資関連情報を提供する「ドリームバイザー・ドット・コム」を運営している。05年6月に東証マザーズに上場。07年1月には、老舗の日本証券新聞社を完全子会社化した。

 ドリームバイザー、東洋経済とも投資家に情報を提供する会社だけに、この手の誤解には注意が必要だろう。

ZAKZAK 2009/07/15

四季報

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