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中国「臓器狩り」の見えない暗闇(6)
まさに映画「アイランド」の世界。“彼ら”は眠らされ、摘出され、二度と目覚めることはない
カナダ元アジア大洋州担当大臣 デビッド・キルガー
元国連カナダ代表 デビッド・マタス

  ■被害者からの聴取

 マタス カナダへ逃れてきた学習者の証言から、3例を紹介する。

 ▼王玉芝氏(バンクーバー)

 法輪功学習者のため「人民の敵」となった王氏は、00年から01年末まで強制労働収容所で過ごした。信仰放棄を拒否して拷問を受け、病院へ『治療』に送られた。『治療』とは、彼女が必死に始めた絶食後の三カ月にわたる強制的な食物灌入と610弁公室による殴打だった。

 王氏は、ハルビンの数ケ所の病院で徹底的な健康診断を受けた。担当医師らは彼女の臓器は損傷がひどく回復しないと言った。すると彼らは「急に私への関心を無くし、私は病院から逃げ出すことができた」。王氏は、自分が生き延びたのは、監禁者が彼女の臓器を売れないと判断したためだと確信している。

 ▼王暁華(音訳)氏(モントリオール)

 王氏は、昆明市設計院に技術者として勤務中、逮捕された。刑務所で、看守に命令された長期服役の囚人に意識不明になるまで殴られた。看守の口グセは「法輪功に対して唯一の待遇は殴ること」だった。02年、監禁中の全法輪功学習者に対し、心電図、全身レントゲン、肝臓、血液と腎臓検査を含めた全面的な健康診断が行われた。05年、奇跡的に中国を脱出、迅速に彼と家族を脱出させることができたカナダ移民担当官を称賛している。

 ▼甘娜氏(トロント)

 甘氏は、北京の国際空港で11年間、税関係員を務めた。99年7月に逮捕、00年末、法輪功を誹謗する文の朗読を拒み繰り返し頭を蹴られた。北京女子労働教養所に移送され、扱いがあまりにも苛酷だったため放棄誓約書に署名、04年カナダに逃れた。甘氏の臓器摘出に関する意見は、恐らく結論にはつながらない。ともに監禁された学習者には4桁の数字がつけられた。ある監房には30人もいた。ある夜、物音で目覚め、翌朝、一部囚人の姿がなかった。もっと詳しい情報がないと公正に予想できない。甘氏は、5カ月間130人の労働教養隊にいた。学習者だけが軍人に連れられ警察病院で採血、検尿、レントゲン、目の検査を受けた。こうした医療手配はそこでの彼女の体験全ての状況に合っていないと感じた。

  続く

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【正論1月号】