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自民:「このままでは死屍累々」両院議員総会開催焦点に

 衆院解散を目前に控えながら、自民党は15日もきしみ続けた。

 党内各派閥の事務総長が党本部に顔をそろえたのは午前8時。中山成彬(町村)▽船田元(津島)▽逢沢一郎(古賀)▽谷津義男(伊吹)▽木村義雄(山崎)▽村上誠一郎(高村)▽鈴木恒夫(麻生)▽泉信也(二階)の8氏だ。前日梅雨明けした東京は朝から汗ばむほどだった。

 「選挙の前にまず自民党内の気持ちをまとめることが必要だ」

 「そうだ。一致団結のためには可及的速やかに、両院議員総会なりを開くべきだ」

 1時間15分の会議を終えた面々は、そのまま4階の幹事長室に入り、細田博之幹事長に事務総長の総意として議員の集まりを速やかに設定するよう求めた。

 中山氏は「(麻生太郎)首相の決断に何も言えずに地元に戻ったら若手がかわいそうだ。地元向けの兵器を持たせてやれよ」と意見交換の場を求めた。細田氏は「どうせ21日に解散するんだから」と消極的だったが、谷津氏は「何言ってんだ。このままだと分裂選挙になって死屍(しし)累々だぞ」と攻めた。「(選挙後は)どうせ野党になるんだからインパクトのある政権公約を作るべきだ」という声も出た。

 最後は細田氏も「16日か17日にやる」と約束。単なるガス抜きの場か、麻生首相の責任追及の場か。両院議員総会の開催問題が焦点になってきた。

 自公の与党執行部も午前8時から幹事長・政調会長・国対委員長会談を国会近くのホテルで開いた。参院に送付した船舶検査法案だけでも解散前に成立させられないかと、自民党の大島理森国対委員長がその場から電話で民主党の山岡賢次国対委員長に自民・民主の幹事長会談を申し入れた。

 山岡氏は選挙区に戻っていた。「首相自身が14日解散と一度は決断していたのではないか。何をいまさら」と返事はつれなかった。

 国会はすでに閉会状態になっていて、自民党内の動揺だけが永田町の動きだった。

 与謝野馨財務・金融担当相と石破茂農相が首相官邸に姿を見せたのは午後2時過ぎだ。突然の来訪に群がる記者団に、両氏は手を振りながらエレベーターに乗り込み、首相のいる執務室に入った。40分後に出てきた時も2人は険しい表情で無言を通した。

 麻生内閣を支えてきた両氏の訪問は、衝撃を走らせた。「もしや解散に同意しないのではないか」との憶測を呼んだためだ。

 中川秀直元幹事長ら反麻生勢力は、東京・赤坂のホテルに拠点を構え、両院議員総会の開催を求める署名活動を進めていた。午後6時半、記者団の前に出てきた中川氏は「おおむね目標とする線にほとんど達した状態だろうと思う」と満足そうな表情を見せて「与謝野大臣にも署名いただいた」と続けた。

 落としどころが見えないまま、麻生首相をはさんだ自民党内の攻防は夜まで続いた。

毎日新聞 2009年7月15日 22時39分

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