トップインプレッション(リスト)ポルシェ・パナメーラ【海外試乗記】 (09.07.15)
インプレッション
【スペック】パナメーラ4S:全長×全幅×全高=4970×1931×1418mm/ホイールベース=2920mm/車重=1860kg/駆動方式=4WD/4.8リッターV8DOHC32バルブ(400ps/6500rpm、51.0kgm/3500-5000rpm)(欧州仕様車)
「ターボ」に搭載される、4.8リッターV8ツインターボユニット。オプションの「スポーツクロノパッケージ」を装着すると、オーバーブースト機能が有効になり、一時的にブースト圧力を上昇させる。その場合、最大トルクは78.5kgmを発生する。
 サウンドはまさにスポーツカーそのもの
走りのテイストは、いずれのモデルも予想通りの満足度であった。
実は数ヶ月前に同乗試乗を済ませているのだが、その時点でも、凝った構造のボディがもたらす際立つ剛性感に注目していたのだ。さらに、スペックから予想される強力な加速や、昨今の911やボクスター/ケイマンから予感された、しなやかな乗り味も、自分が思ったとおりのものだったのである。

加速の余裕度は、自然吸気モデルでも十二分。「ターボ」になるとそうしたゆとりある加速のシーンを、感覚的には自然吸気モデルのさらに半分ほどのアクセル開度で味わえる。
そしていずれのエンジンも、3000rpm付近から上では、いかにもポルシェ車らしい迫力を発散させるという点で共通する。ピュアなスポーツカーそのものというエグゾーストノートを放ちつつ、PDKとのコンビネーションが実現させるダイレクトなアクセルレスポンスを味わっていると、冒頭で記したように、このモデルを“4シーター・スポーツカー”と紹介したくなるのも、さもありなんと納得だ。

テストドライブを行った「S」と「4S」は、いずれもオプション設定のエアサスペンションを採用したPASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)装着車。従って、標準装着されるターボとともに、今回のフットワークのテイスティングは同仕様で行ったことになる。
20インチのオプションシューズを履いた「ターボ」を含めて、まずそのコンフォート性に高得点が与えられる。その上で、アクティブ・スタビライザー「PDCC」をオプション装着していた「ターボ」では、それが威力を発揮しての“ロールレス”のコーナリング感覚が新鮮だった。

カイエン、そしてこのパナメーラと、ポルシェ社が後方にエンジンを載せたスポーツカー以外のモデルに触手を伸ばす事に抵抗がある、という人の気持ちはボクにもわかる。しかし、カイエンによって得られた莫大な利益が、今の“ポルシェスポーツカー”の有用な軍資金になったという事実を知れば……実際の出来栄えに安心をするとともに、そんな下心も踏まえて、一層の期待が高まるパナメーラなのである。

(文=河村康彦/写真=ポルシェ・ジャパン)
「S」「4S」は、格納式の2wayリアスポイラーが装着される。一方、この「ターボ」には、立ち上がった後に左右に広がる4wayリアスポイラーが採用された。 クリックすると、スポイラーが開いた様子がごらんいただけます。



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2009/07/08〜2009/07/14