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天神祭の船渡御、「お迎え人形」がロボットで復活

25日、船上で大阪締めを披露

牛若丸風の装束を身に着け、船渡御当日に大阪締めを披露する「ワカマル」(大阪府豊中市の大阪大で)=永井哲朗撮影

 かつて天神祭の船渡御を堂島川下流でにぎやかに出迎える役を担ったものの、戦後多くが出番を失った「お迎え人形」が、25日の船渡御でロボットに姿を変えてよみがえる。三菱重工業が開発したヒト型コミュニケーションロボット「ワカマル」を活用、船上で大阪大の学生らがプログラミングした「大阪締め」を披露する。約1000年の歴史を持つ天神祭に、今夏は最先端技術を集めた「科学の子」が花を添える。

 お迎え人形の始まりは、人形浄瑠璃などの町人文化が華開いた江戸・元禄期のころ。当時の船渡御のコースは、現在とは反対に堂島川を下るコースだった。周辺の氏子らは御祭神の船を「お迎え船」で出迎え、人形はそのへさきに飾られた、という。

 江戸後期には素戔嗚尊(すさのおのみこと)や八幡太郎義家など約50体あったが、戦後間もなく地盤沈下で橋が低くなり、下を船が通れなくなったことなどからコースも変わり、出番がなくなった。

 ワカマルを研究などに活用している阪大の教授らが、こうした歴史を知り、「ワカマルを使って今様のお迎え人形を作ろう」と企画。学生らは平安装束体験所(京都市)の指導で牛若丸風の衣装を作ったほか、船がすれ違う時に行われる大阪締めのプログラムを製作中。ワカマルは船渡御当日、阪大が運航する船に乗る。

 今回の企画に携わった金水敏・阪大コミュニケーションデザイン・センター長は「ワカマルは(まゆ)が牛若丸に似ていることから名付けられた。何かの縁かもしれない。立派に演じさせ、祭りを盛り上げたい」と話している。

2009年7月11日  読売新聞)

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