県内ニュース藻からバイオ燃料抽出へ 慶大先端研とデンソーが共同研究
2008年04月24日 20:34
鶴岡市の慶応大先端生命科学研究所(冨田勝所長)は24日、デンソー(愛知県刈谷市、深谷紘一社長)とバイオ燃料の原料として期待される微細藻の共同研究を開始したと発表した。微細藻が細胞内に油を蓄積する仕組みを解析して生産効率を高め、実用化を目指す。水中に生息する微細藻は、工場での培養が可能なため、次世代バイオ燃料の原料として期待されている。 同研究所が研究に用いている微細藻(シュードコリシスチス エリプソイディア)は5マイクロメートルほどの大きさ。光合成を行い増殖するが、窒素が不足すると軽油の主成分と同じ炭化水素を成分とする油を作り、蓄積する。研究所では、この仕組みを明らかにし、微細藻が効率よく油を生み出す培養条件を解明する。さらに、品種改良し効率を高める研究も行う。デンソーは、微細藻に二酸化炭素(CO2)を高効率に吸収させるための培養槽を作り、細胞内に蓄積した油の抽出法を研究する。 実現すれば、発電所や工場から出るCO2で微細藻を培養できるため、温暖化防止に貢献するほか、国内でのエネルギー生産が可能になる。冨田所長は「“究極のエコ微生物”の実用化に向け、技術を総結集させる」とコメント。担当の伊藤卓朗研究員は「5年以内の実用化を目指したい」と話していた。
|
文字サイズ変更
|