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日馬富士、当たり負けで完敗…綱とり黄信号

 琴奨菊(左)に寄り切りで敗れる日馬富士=愛知県体育館
 琴奨菊(左)に寄り切りで敗れる日馬富士=愛知県体育館

 「大相撲名古屋場所3日目」(14日、愛知県体育館)

 綱とりがかかる大関日馬富士が、小結琴奨菊に完敗。序盤の1敗は、昇進ロードに大きなダメージとなった。両横綱は白鵬が初顔の阿覧を左上手投げで下して完勝。朝青龍は豪栄道に苦戦しながらも寄り切った。大関陣は琴光喜、琴欧洲が3連勝。魁皇も2連勝したが、千代大海は小結旭天鵬に押し出されて連敗を喫した。

  ◇  ◇

 日馬富士がショッキングな敗退を喫した。突き放していくつもりが、中途半端な立ち合いで琴奨菊に当たり負けした。右差しを許して左からおっつけられ、なすすべもなく寄り切られた。

 この2日間は稀勢の里、岩木山に対して、いい意味で見下ろす相撲で連勝した。だが3日目に早くも悪夢が待っていた。支度部屋では「立ち合い遅れちゃったな。完ぺきに負けた。琴奨菊の方がいい相撲を取った。これも一つの勉強。しょうがない」と、冷静さを装った。だが内心は悔しさが渦巻いていたはずだ。

 伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)はこの日の朝げいこで「立ち合いで当たったとき、もっと相手を押し込まないといけない」と指摘。「タイミングを見て言うもの」とし、本人には伝わっていなかったが、懸念された不安材料が出てしまった。

 昇進ラインは14勝1敗で、内容も問われる。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「まだ3日目だから分からない。ただ、一方的なのはよくない」とし、印象度でも“黄ランプ”が点滅した。白鵬は「目に見えないものがあるんだ」と、自らの体験を踏まえて綱とりの苦しみを表現した。

 名古屋の宿舎では今年から、親方の要請で神社側が宮司宿舎の3部屋(10畳、リビング、バス&洗面所)を大関に提供。90年名古屋場所後に横綱昇進を決めた師匠も、3日目に黒星を喫しながら14勝1敗でクリアした。「そんなに落ち込んでないですから」。ここは気持ちを切り替えて前を向くしかない。

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