2009年7月14日23時22分
中小企業のサラリーマンらが加入する「協会けんぽ」(旧政府管掌健康保険)を運営する全国健康保険協会は14日、昨年10月に発足後の初年度決算が、約326億円の赤字になると公表した。不況による保険料収入の落ち込みと、想定を超えた医療費の伸びの影響。赤字分は、政管健保から引き継いだ約1280億円の積立金を取り崩して補填(ほてん)する。
決算報告書によると、08年10月〜09年3月の半年分の収入は4兆5343億円。これに対し支出は4兆5669億円だった。
協会設立委員会が08年9月に策定した08年度予算では、984億円の黒字となる予定だった。しかし、保険料収入が当初の想定より688億円少ない3兆8842億円にとどまったのに対し、医療費(保険給付費)は当初の想定を803億円上回る2兆4941億円に膨らんだ。同協会は「大変厳しい決算となった」としている。
協会けんぽは、中小企業のサラリーマンや家族ら約3472万人(3月末現在)が加入。今年9月に、現在の全国一律の保険料率(労使折半で8.2%)から、都道府県別の保険料率に移行する。