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【ウイグル暴動】そのとき何が…「計画的」か「偶発的」か (2/2ページ)

2009.7.14 19:37
13日、ウイグル族2人が射殺された現場とみられる解放南路に面するウルムチ市中医(漢方)医院前の武装警察と地元住民ら(河崎真澄撮影)13日、ウイグル族2人が射殺された現場とみられる解放南路に面するウルムチ市中医(漢方)医院前の武装警察と地元住民ら(河崎真澄撮影)

 ■「お祭り気分」

 ウイグル族住民によるデモは5日の午後6時(日本時間同7時)ごろ、市中心部の人民広場近くで始まった。広東省の玩具工場で6月末にウイグル族が襲撃された事件がウルムチで話題になっていた。ウイグル族の若い女性によると、5日午後、携帯メールに「合法的に政府に抗議しよう」とするメッセージが入り、友人の何人かは、「お祭り気分で」出かけたという。

 人民広場近くでデモを見かけたという漢族の女性店員は、「最初は静かなデモだったがウイグル族が興奮して窓ガラスを割り、暴力をふるい始めたので、あわてて逃げた」と話した。

 解放南路で会ったウイグル族の男性は、日本人記者の身分証明書を確かめた上で、「平和的なデモだったのに突然、武装部隊が現れてウイグル族めがけて銃撃し始めたため、怒りが爆発した」との“目撃談”を語った。デモ隊は人民広場から解放南路を南下するうちに、周辺のウイグル族住民らを次々と巻き込んで雪だるま式に規模が膨らみ、やがて暴徒化したようだ。

 ■「悪の根源」?

 暴徒化が先か、部隊による発砲が先か、確実な証言は得られなかったが、中国政府が主張する「海外からの指揮で実行された計画的かつ組織的な暴動」との主張を信じるウイグル族を探すことはできなかった。

 一方、中国でカーディルさんの「存在感」は急速に高まっている。カーディルさんが中東の衛星テレビ、アルジャジーラに出演し、5日のデモは当初は平和的だったとする「証拠写真」を公表した。だが中国紙、国際先駆導報は、この写真が6月26日に湖北省で行われた別のデモの写真だと報じて「世界ウイグル会議」側も結局、ミスを認めた。

 同紙はまた、昨年8月に新疆ウイグル自治区で警察部隊が襲撃され警官が死傷した事件についてもカーディルさんを「名実ともに悪の根源だ」と指弾した。

 この事件をめぐって中国メディアはこれまで、カーディルさんを名指しで批判したことはなかったが、5日の暴動を契機に漢族に嫌悪感が広がった。ウイグル族と漢族の「溝」は一段と深まったように見える。(ウルムチ 河崎真澄)

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13日、ウイグル族2人が射殺された現場とみられる解放南路に面するウルムチ市中医(漢方)医院前の武装警察と地元住民ら(河崎真澄撮影)
13日、ウイグル族2人が警察に射殺された解放南路沿いの二道橋地区。ふだんなら屋台や物売りでごったがえすが、この日は人影がほとんど消えて閑散としていた(河崎真澄撮影)
13日、ウイグル族2人が射殺され、封鎖されたウルムチ市内の解放南路を走る武装警察部隊を乗せたトラック(河崎真澄撮影)
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