2009年7月6日15時5分
2月の北九州市議選で偽の投票用紙が見つかった事件で、福岡県警が週内にも、小倉北区から立候補して落選した山田国義容疑者(73)や、同容疑者の親族の男ら男女5人について、新たに公選法違反(投票偽造)の疑いで書類送検する方針を固めたことが、捜査関係者への取材でわかった。不正に集めたとされる投票用紙については、この親族の男が「(山田容疑者に)複数枚投票した」と認めていた。
捜査関係者によると、山田容疑者や親族の男らは5人で共謀し、2月1日の同市議選の投開票日に、山田容疑者の名を書いた投票用紙を投票箱に入れた疑いを持たれている。この親族の男は県警の任意調べに「三十数枚をまとめて投票した」と話したといい、男が実際に投票箱に入れたとみられている。
山田容疑者らは、偽の用紙で投票し、正規用紙44枚をだまし取ったとして、詐欺罪で起訴された。その後、小倉北区の有権者に票のとりまとめなどを依頼し、現金を渡したとして、公選法違反(買収)容疑でも逮捕された。
買収工作や用紙のすり替えには計約80万円が使われたという。山田容疑者が十数万円、長男で北九州市職員の正一容疑者(51)が三十数万円、支援者の山村速人容疑者(33)が約30万円をそれぞれ出していたとみられている。