良い教師とは?
(http://www.greatschools.net/cgi-bin/showarticle/CA/259/improve)
            報告 :Lisa Rosenthal, GreatSchools.net Staff

お子さんが受ける教育の質を決定付ける最も重要な要因は、教師の質に最も依存するということは、数多くの調査の結果から明らかです。良い師を見分けるコツや、お子さんの教師と問題が生じた場合の対処法などについては、以下をご覧ください。

  教師を良い教師たらしめているものは何でしょうか。今日、教鞭をとることは、困難極まりない職業の1つになっています。担当教科、カリキュラムとその水準がの知識は十分でなければなりません。教えることに対する熱意、気配り、そして愛情も必要です。さらに、躾や教室運営の技術、若者の生活を変えさせようという野望も求められます。これらすべての品質が満たされている教師であれば、良い教師といえないはずがありません。

教師の質において、「No Child Left Behind(落ちこぼれゼロ:訳注:政府が唱えている教育改革のスローガン)」の意味するものは?

教師の役割は、ブッシュ大統領が2002年1月に署名した『The No Child Left Behind(落ちこぼれゼロ)』法の下、ますます重要になりつつあります。この法では、2005年秋までに全教室に十分な資質を備えた教師を配置することを求めています。

この法の下、小学校教師は学位を取得しなければならず、重要科目については過酷な試験に合格しなければなりません。中高等学校の教師は、担当科目について、試験に合格するか、専攻にそった大学院卒の資格または同等の講義を終了するなどして、力を証明しなければなりません。こうした要件は、新規採用の教師については、すでに適用されています。

学校側は、すべての教師についてその資格要件を明らかにするよう求められてます。また、十分な資格を備えていない教師が4週間以上にわたって教壇に立つ場合は、その旨を保護者に通知しなければなりません。違反した場合は、学校側に政府からの助成金が支払われなくなる可能性があります。州政府では、92000もの公立学校すべてに目を光らせられる人員も予算もないので、学校側が要件を備えた教師を雇うように、保護者側が圧力をかける必要があります。

↑上に戻る


良い教師のしるし

州法によって教師が学士を備え、過酷な試験に合格するようになったからといって、それだけで良い教師であるといえるわけではありません。

Smith CollegeのSam Intrator教育学教授が、著書『Stories of the Courage to Teach』の中で、30年以上教鞭をとってきた自身の父が、子供たちに気を配り、教科内容について気を配り、そして生徒たちに関連付けられる教師が求められる、と語っています。まず何よりも、自分の職業の重要性に対して誠実であることが求められます。良い教師の特性を、以下に並べます。

  • 良い教師は、すべての生徒に偉大な期待を寄せている
    すべての生徒はできると期待している。そして、教室の中で達成し、達成できない生徒に対しても諦めない。
  • 良い教師は、明確で文書化された目標がある
    良い教師は、生徒がこれから学ぶこと、宿題の内容、そしてどのように成績が付けられるのかについて生徒が明確なイメージをつかめるよう、授業計画をたてている。宿題には、その宿題で達成しようとする目標があり、新しいスキルを身に付けるための十分な機会があたえられている。良い教師は、成績の付け方が一貫しており、提出物もタイミングよく返してくれる。
  • 良い教師は、事前準備が十分で整理されている
    良い教師は、教室に早く来て授業の準備を進めます。授業は、明確かつ体系付けられたやり方で進められ、教室は、できるだけ秩序が保たれるように整理されています。
  • 良い教師は、生徒をひきつけ、課題に対してさまざまなやり方を見せる
    良い教師は、事実をゴールではなく糸口にします。なぜ、と問いかけ、あらゆる面を検証し、次に何が起きるかを生徒たちに予測させます。生徒たちに質問を多く投げかけ、生徒たちが授業についてきていることを確認します。クラス全体のやる気を引き出し、数人の生徒がクラスを左右することが無いようにします。生徒たちが活気に満ちたさまざまな方法で動機付けられているようにします。
  • 良い教師は、生徒と強いつながりを築き、生徒たちを人として付き合っていることを示す
    良い教師は、温かく、近づきやすく、熱意に満ちていて、気配りがきくものです。放課後も教室に残り、生徒や両親が話しかけやすいようにしています。全校規模の委員会や活動に参加し、学校に対して貢献をしていることが分かるようにしています。
  • 良い教師は、担当教科のエキスパートである
    良い教師は、担当教科のエキスパートであり、その科目について常に新しい知識を習得する時間を用意しています。熱意に満ちたやり方で授業を進め、生徒たちが自分たちでより深く勉強できるよう誘導します。
  • 良い教師は、頻繁に保護者と対話する
    良い教師は、会議を通して、または家庭に報告書を多く書くなどして保護者と対話します。生徒について何かいうべきことがある場合は、家庭に電話をかけることも多くあります。

↑上に戻る


良くない教師の兆候

以下の兆候に該当するものがある場合は、お子さんの先生と何かしらの問題がある可能性があります。

  • お子さんが、お子さんの先生が繰り返しお子さんについて良くないことを名指しで指摘すると訴える
  • 朝、一番遅く出勤して、夕方、一番早く帰宅する。電話を返すことも、手紙に返事を返すこともない
  • 宿題がめったにない
  • 宿題が返ってこない
  • home frequent report(家庭に送るレポート?)を保護者に送らない
  • 担当教科の知識が貧しい
  • 授業は整理されておらず計画もたてていない
  • 保護者からの意見やアドバイスを受け付けない

↑上に戻る


お子さんと教師がうまくいかない場合の対処法


上記の項目に当てはまるものがある場合、お子さんと教師がうまくいっていないのかもしれません。ただし、結論を急いではいけません。以下の行動を検討してみましょう。

  • 事実を収集する
    客観性を大事にし、心を開きましょう。問題があっても、ただちにすべてを教師のせいにするのはやめましょう。お子さんに問題があるのかもしれないし、学校側にあるのかもしれません。学校側と教師の許可が得られれば、授業を見学して、教室内のなりゆきを観察しましょう。見学が許可されない場合は、お子さんに問題があるかどうか、他の保護者の方々とお話して確かめましょう。また、以前にその教師に教わったことのある保護者の方々とお話をして、その問題が今に始まったことではないのかどうかを確認しましょう。
  • 問題を文書化する
    教師の不適切な振る舞いが見られたときの日時を書きとめておきましょう。同様の感触を持っている保護者が他にも居る場合は、その方たちにお書き留めてもらうようお願いしましょう。
  • 教師に連絡して面会する
    電話では埒が明かないと感じた場合は、1対1のミーティングをセッティングしてもらいましょう。
  • 教師にはプロの味方として接する
    けんか腰の態度ではなく事実に忠実になりましょう。個人的な批判はできるだけ控えましょう。授業風景、カリキュラム、そしてお子さんが求めているものに集中しましょう。教師との話し合いが終わったら、状況を改善するための十分な時間を教師に与えてあげましょう。
  • 校長先生に相談する
    数週間たっても事態が改善されない場合は、校長先生に相談しましょう。ただし、できるだけ校長先生は巻き込まない方法を模索するようにしなければなりません。いったん校長先生まで巻き込むと一線を超えることになります。そして、あなたと教師との関係、およびお子さんと教師との関係は永遠に違ったものになってしまいます。
  • 学校規則に従う
    学校には、教師と保護者の間で同意がなされなかった場合の方針が決められているはずです。その方針を聞き、従いましょう。この方法がうまくいくには時間がかかります。
  • 学区の最高責任者に相談する
    校長先生に相談しても問題が解決しない場合は、学区の最高責任者に相談しましょう。教師の評価の仕方、および学区内でどのように教師を任命しているかについて、その学区内の方針を聞きましょう。その教師について不信感を抱いているほかの保護者を集めましょう。この方法は、時間がかかり、簡単に解決するものではないことを念頭において置いてください。しかし、他の保護者と絶えず連携し、声を大にして主張し続ければ、望みはあります。

↑上に戻る


良い教師を支持する方法

今後10年間にわたり、米国内の学校は、200万人の教師を雇用していきます。教師の質が高ければ、教室がまったく違ったものになることは明らかです。また、そうした教師を見つけることも引き止めておくことも難しいというのも自明です。新規採用の教師のうち20%は、4年後に教壇を去ります。そして多くの教師はその後15年から20年の間に退職します。

National Commission on Teaching & America's Futureからの提言
1996年、
bipartisan panel(両党派集団
)であるNational Commission on Teaching & America's Futureは、すべての教室に良い教師が配置されるよういくつかの提言を出しています。以下にいくつかの重要なアドバイスを示します。

  • 教師のプロ水準を引き上げる
  • 給与と勤労環境を整える
  • 教師の養成等を再検討する
  • 教師の質とスキルの向上を推奨し、報いる

こうした提言を採用しても、動きは緩やかでしょう。法規制、連邦政府と州政府両方からの予算増強、そして学区レベルで変革を望む声が高まること、などに依存するからです。保護者は、最高責任者、理事会会員、州政府側と連携して、すべての教室に良い教師が配置されることを目指しましょう

↑上に戻る


その他
Give Kids Good Schools お子さんに、良い学校を
このインターネットベースのキャンペーンはPublic Education Networkによるプロジェクトであり、保護者やコミュニティの人たちが、政府高官に対して気軽にロビー活動を行い、教師の質を高めるよう行動を起こせるようにするものです。

GreatSchools.net内のそのほかの記事

GreatSchools.net以外の記事

書籍:

  • McEwan, Elaine K., 10 Traits of Highly Successful Schools, Waterbrook Press, 1999
    教師と学校を評価する方法を解説しています。
  •  Cooperman, Saul, How Schools Really Work, Catfeet Press, 1996
    元最高責任者による。学校を評価し改善するための手順書
  • Bennett, William J., The Educated Child, Simon & Schuster, 1999
    良い教育とは?良い学校、悪い教師、の見分け方良い教師が教えるもの、そして学校を改善する方法が分かります。
  • Intrator, Sam M., Stories of the Courage to Teach, Jossey-Bass, 2002
    教師による心のこもったエッセイ。

↑上に戻る

インデックスページに戻る