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コラム

【甘口辛口】7月13日

2009.7.13 05:00
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 「とにかく謝れ。謝って宮崎に帰れ」とビートたけしが、いいたい放題で政界をひっかき回した宮崎県の東国原知事を一喝したという。自民党から要請されている次期衆院選出馬について、知事はかなり弱気になってきたところに、師匠に厳しい言葉を浴びせられ、さぞかし骨身にこたえたことだろう。

 大体、調子にのりすぎていた。あの「わたくしを次期総裁候補として、自民党サンはお戦いになるお覚悟はおありですか」というおかしな日本語は、おちょくりにしか聞こえなかった。いわれる自民党も情けないが、「自民党サンののど元にあいくちを突き付けている状態。どんな答えが返ってくるか楽しみ」とは言い過ぎだ。 

 国民の7、8割が出馬に反対なのも当然だろう。「国政の前にしっかり県政をしなさい。あんたが思っているほどメディアは甘くない。逆風が強すぎる」という、たけしの言葉はいちいちもっともだ。はじめは「東国原総理ならオレは幹事長」と冗談をいっていたが、さすがに『TVタックル』で国会議員らと丁々発止とやり合っているだけのことはある。 

 それにしても、こういう話し合いはふつう人知れずやるものだが、中身がわかってしまったところに何か意図的なものを感じる。よくいえば機を見るに敏だが、どん詰まりになって「師匠にいわれたからやっぱりやめます」と言い訳を作るために会ったのでは、と勘ぐられても仕方ない。 

 知事からは「県民の意思もあるので重視しないと…」と弱気な発言も出た。“東国原シアター”は予告編だけで幕が降りるのかもしれない。東国原サン、お出馬をおやめになるお覚悟はおできになったでしょうか?と聞いてみたい。(今村忠)



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