ＫＩＤ悪夢の復帰戦！８０秒ＫＯ負け…Ｋ─１ワールドＭＡＸ

チョン・ジェヒ（右）に１回ＫＯ負けした山本“ＫＩＤ”徳郁

　◆Ｋ─１ワールドＭＡＸ　▽スーパーファイト３分３回延長１回　○チョン・ジェヒ（１回　１分２０秒　ＫＯ）山本“ＫＩＤ”徳郁●（１３日・東京・日本武道館）　約４年ぶりにＫ―１に参戦した総合格闘家の山本“ＫＩＤ”徳郁（３２）＝ＫＲＡＺＹ　ＢＥＥ＝が、チョン・ジェヒ（２３）＝韓国＝に１回１分２０秒で衝撃の失神ＫＯ負けを喫した。再起戦を飾るどころか５月のＤＲＥＡＭ９に続く敗北となった。大みそかでの引退を表明している魔裟斗（３０）＝シルバーウルフ＝は、総合格闘家の川尻達也（３１）＝Ｔ―ＢＬＯＯＤ＝を２回ＴＫＯで下し、Ｋ―１最後の試合を飾った。

　意識ごと吹っ飛ばされた。１分過ぎ。右フックをクリーンヒットさせたＫＩＤが猛攻を仕掛けようとした直後だった。チョンの右アッパー、左フックのコンビネーションをまともに被弾。そのままマットに倒れ、ピクリとも動かなかった。「何も覚えてない」というわずか８０秒でのＫＯ負け。勝者が心配して駆け寄るほどの衝撃シーンだった。

　ゴングと同時に攻め、誰もが勝利を予感した。だが、そこに落とし穴が潜んでいた。攻撃されていた韓国のムエタイ王者は「パンチは思ったより強いが、これなら耐えられると思った」と冷静だった。的確に繰り出されたカウンターはまさに狙い通りで、ＫＩＤの言う「お祭り気分」はアッという間に吹き飛ばされた。

　年内引退のカウントダウン試合を行った魔裟斗ら強豪と名勝負を繰り広げてきたが、昨年７月の練習で右ひざ前十字じん帯を部分断裂。“武器”にメスを入れ、リハビリに取り組んできた。

　立ち技主体でのＫ―１リングとはいえ、５月のＤＲＥＡＭに続く屈辱の連敗。ＫＩＤは「もう１回やりたい。ダメージないし今すぐやりたい。今日、悪かったところを直していくんで、次もよろしくお願いします」と再起を宣言した。しかし、主戦場であるＤＲＥＡＭの笹原イベントプロデューサーは「ああいう負け方だし、しばらく休ませた方がいい」と不安を口にした。神の子に、再び試練の時が訪れた。