魔裟斗貫禄ＴＫＯ「オレがチャンピオンね」…Ｋ─１ワールドＭＡＸ

２回、右フックで川尻（左）を攻める魔裟斗

　◆Ｋ─１ワールドＭＡＸ　▽スーパーファイト３分３回　　○魔裟斗（２回１分４３秒　ＴＫＯ）川尻達也●（１３日、東京・日本武道館）　大みそかの「Ｄｙｎａｍｉｔｅ！！」での引退を表明している魔裟斗（３０）＝シルバーウルフ＝が、総合格闘家の川尻達也（３１）＝Ｔ―ＢＬＯＯＤ＝に２回ＴＫＯで圧勝し、Ｋ―１最後の試合を飾った。約４年ぶりのＫ―１参戦となった山本“ＫＩＤ”徳郁（３２）＝ＫＲＡＺＹ　ＢＥＥ＝は、１回１分２０秒で失神ＫＯ負け。ＭＡＸ世界大会では、日本人でただ１人ベスト８に残った山本優弥（２４）＝青春塾＝が、ドラゴ（２４）＝アルメニア＝を判定で下し、ベスト４進出を決めた。

　「アイ・アム・チャンピオンね。オレがチャンピオンね」。魔裟斗が大みそかのゴールへ向け、圧勝劇を見せた。

　闘志をむき出しに“けんかモード”で向かってくる川尻に対し、両ガードを上げて左ジャブを起点とする教科書通りのスタイルで迎撃。１回２分３３秒、ワンツーから右の打ち下ろしをつないでダウンを奪うと、終了のゴングと同時に右ストレートでコーナーに吹っ飛ばした。２回。逆転を狙って左右フックを振り回す川尻のガードのすき間を鋭い右ストレートで突き刺し、最後は右アッパーからの連打でタオル投入を呼び込んだ。

リングサイドで観戦する魔裟斗夫人の矢沢心

　０７年から３年計画で肉体改造に着手。最終段階の今年は、０３年以来６年ぶりにウエートトレーニングにも取り組んだ。対総合格闘家では４戦目にして初めてのＫＯ勝利。「見るからにパワーアップしたでしょ。拳でもパワーがついた感じが分かった」と胸を張った。

　残るは大みそかの１試合。リング上で「今年の（世界大会の）チャンピオン、オレの挑戦を受けてくれますか」と“挑戦者”として対戦を要求した。「倒し合いをして、倒して勝ちたい」と語り「オレは『（運を）持ってる』じゃないですか。（アンディ）サワーにリベンジして終わるんじゃないですか」と、０６、０７年と唯一２度負けているサワーに“落とし前”をつけてリングを去る青写真を描いた。