放送予定
   
   
   
7月14日(火)放送予定
村上春樹 “物語”の力

世界45の言語に作品が翻訳され、ノーベル文学賞の有力候補ともされる作家・村上春樹氏。新作『1Q84』は2巻合わせて200万部を突破し、文芸書としては異例のヒットとなった。 村上氏は80年代までは都市生活者の内面を乾いたタッチで描き、若い世代の圧倒的支持を得た。しかし90年代、アメリカ在住中に起きた湾岸戦争、阪神大震災、地下鉄サリン事件などを経て、作品には「暴力」や「悪」が頻繁に登場するようになる。そして新作でもカルト宗教やドメスティックバイオレンスなどの社会問題を扱った。新作発表の前にエルサレムで行ったスピーチで「個人の魂の尊厳を浮かび上がらせるために小説を書く」と宣言した村上氏が、読者に向けて発したメッセージとは何なのかを読み解く。またアメリカや中国のHaruki愛読者たちを取材し、それぞれの国が抱える課題や精神状況に対して村上作品が何を投げかけているのかを探る。
(NO.2767)

スタジオゲスト 松田 哲夫さん
    (ブック・コメンテーター)
朗読 栗山 千明さん
    青木 崇高さん
 


   
   
7月15日(水)放送予定
遠ざかる“夢の医療”

病気やケガで損なわれた臓器や組織を患者本人の細胞を培養して作る「再生医療」。拒絶反応やドナー不足の問題を解決し難病治療の切り札ともなる"夢の医療"として期待され、これからの経済成長を担う新産業としても注目されている。ところが今、その産業を担うはずの企業の間で倒産や事業からの撤退が相次ぎ、最新の医療が多くの患者のもとに届かない事態が生まれている。国の審査体制の整備が遅れているため製品化までに時間がかかり過ぎ、開発に投じた膨大な負債に耐え切れなくなっているのだ。再生医療を巡って何が起きているのか、実態と背景に迫る。
(NO.2768)

スタジオゲスト 川上 浩司さん
    (京都大学大学院教授)