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農水族「利敵行為」「軽く見ている」 鶏卵大会中止要請(1/2ページ)

2009年7月14日17時30分

 自らの権益にしがみつく族議員、その顔色をうかがう官僚、振り回される業界。「日本鶏卵生産者協会」の生産者大会が昨年2月、農林水産省幹部によって再三の中止要請を受けた問題は、そんな3者の、いかにも古めかしい構図を浮かび上がらせる。

 事の発端は「誤解」からだった。

 大会の1週間前にあたる昨年2月6日午前。自民党本部で畜産・酪農対策小委員会が開かれていた。

 「養鶏の団体が開く大会に野党議員だけが呼ばれる」。中堅議員が指摘した。「それは問題だ」。批判は農水省幹部にも向けられた。

 これを受け、農水省の課長補佐は協会に対し、出席要請している議員を照会した。協会から送られてきた名簿には、自民や民主など議員数十人の氏名が羅列されており、大会への出席依頼者の氏名の横には丸印が付けられていた。自民4人、民主3人、国民新1人。農水幹部は複数の自民党議員に名簿を見せ、「自民党議員も招待されている」と党側の誤解を解こうとしたという。

 しかし、これが火に油を注ぐ結果に。羅列されている議員名は、大会後に協会から個別に協力を依頼する要請先の名簿だったが、これがまだ作成過程のものだったため、自民党議員の要請先が未完成で、民主党議員よりはるかに少ない数だったという。自民党議員からは「与党を軽く見ている」などとさらなる批判が出て収拾がつかなくなった。

 自民の怒りを受けて農水幹部は一転、大会中止要請へとかじを切った。協会幹部は党の畜産振興議員連盟会長の谷津義男元農水相や同じ農水族の西川公也議員を訪ねるなど理解を求めて奔走した。

 農水省からの度重なる要請を退けて開催した大会から1週間後の19日。自民の怒りは鎮まっていなかった。

 自民党本部で開かれた畜産振興議連の会合。協会から数人の幹部が出席した。

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