ワシントン(CNN) 米中央情報局(CIA)はブッシュ前政権当時、当時のチェイニー副大統領からの直接指示で、テロ対策に関する機密情報を議会から隠ぺいしていた。チェイニー氏が隠ぺいに関与していたことは先日、パネッタCIA長官から上下両院の情報委員会に明らかにされたという。消息筋が11日、匿名を条件にCNNに語った。
この件を最初に伝えたのは、米紙ニューヨーク・タイムズだった。チェイニー氏のコメントは得られていない。また、CIAのギミグリアーノ報道官は、議員対象の機密ブリーフィングについて語ることは慣例ではないとしたうえで「CIAの部署がパネッタ長官にこの問題を提起した際、議会と共有するべきだとの勧告があった。これは長官の見解と同じだったので、長官はすみやかに徹底して行動した」と述べた。
パネッタ長官が先日、テロ対策に関する議員向けブリーフィングを行っていたことは8日に判明。下院民主党議員7人が同長官に宛てた先月26日付の書簡によると、同長官はCIAが2001年以来情報を隠ぺいし、議会を欺いていたと証言したという。隠ぺいされていた情報の具体的内容などは、書簡で述べられていない。
消息筋によると、このテロ対策は2001年9月11日の同時多発テロ直後から始まった。対策は断続的で、一度も全面実施されたことはなかったものの、状況次第で使用可能な特別手段として確保されていた。パネッタ長官はこの対策を終了させたという。