2009年07月14日

山田武士

ボクシング界は功労者に平気で鞭を打つ。
人気が全くなかった90年頭からどれだけこの漫画に
ボクシング人気を支えてもらっただろうか。
森川ジョージ氏、この人は口は出さないで金を出す。
そして後は黙って任す、中中真似が出来ない。

そして、トレーナーの山田武士。
僕がJBに通い始めたころ、彼はまだ現役だった。
そのうち引退してトレーナーの道を選ぶ。
いつからか一緒に練習数用になった。
僕が最初のボクサー以外の選手だった。
練習場所のないキックボクサーの僕はよく
JBに通った。
そのうち、好奇心からか彼はキックミットも持つように
なる。
年下の彼に僕は敬語を使うようになる。
教える側が敬語で教えられる側がため口はおかしい。
彼にはよく練習に付き合ってもらった。
僕が通うようになって他の競技の選手がこのジムに
通うようになった。

彼は選手に体を張って付き合う。
一緒に汗を流して一緒に疲れる。
もがいて、わめいて、最後に笑う。
だから、選手がついてくる。
見てくれは人相が悪いから、思ったことをすぐに口に出す
ところから、他所からよく誤解も招く。
でも、彼はいい意味で馬鹿だからあまり考えない。

彼は、選手の試合が近づくと、練習で息詰まると、
僕にメールで訊いてくる。
僕は答える。
今回、訊ねられたら断ろう、僕はそう決めていた。
相手も後輩だった人間でもあるし、肩入れしずらい
部分があった。
本当に試合が決まって、やはり彼からメールが来た。
非常にらしくないメールだった。

らしくねぇな、僕は下から乱暴な返事を送った。
タイのランカーと試合が決まった時、
彼はキックのことなんて何も知らない癖に
ボクシング側の知識で対策が書き込んだ紙をくれた。
試合前、控室でその手紙を何度も読み返した。
だから、今回も彼の力になることにした。
JBを訪ねて練習に参加した。
川尻くんとマスやって、その後一緒に走りこみをやって、
船橋にある自分のジムに戻ってミットを持った。
その後、彼は川尻くんとジムに来た。
見るだけじゃわからないから彼にも練習してもらった。

今回、教えるだけなら他もやているけれど、
セコンドについて興行に関わったと新聞にはある。
本当にセコンドについていたのだろうか。
映像を見ると、一緒に入場はしているけれど、
セコンドに姿は見えない。
テレビに映ったことが問題なのだろうか。
なら客席に映るところかまわずバラエティなどにも出る
世界チャンピオンも問題ではないのか。
他所の競技云云ではなく、ボクシングそのものを汚した
世紀の茶番を演じた兄弟は一時、反省亀となって
今はライトで甲羅を干すことを許されている。

元ボクサーというだけで他所の競技に出たら、
ボクシング界には戻れない。
元ボクサーが簡単に蹴り倒されるからこんなつまらない
規則が出来た。
それは、周りに乗せられて自らの拳に過信した元ボクサー
が悪い。
利用する主催や煽るマスコミも悪い。
仮に、元ボクサーばかり活躍していればそんな規則は
出来なかったに違いない。
そして、今回の報道にあるようにセコンドについたというような
ことが問題なら、それが国技大相撲の力士のセコンド的な
手伝いをした場合どうなっただろう。
同じような問題にはならないと思う。

人気面、興行面で差をつけられて悔しいから道を
次次に閉ざしているように感じる。
あいつはいいのか、あいつはいいのか、そんな内部の
苦情や抗議で今回、問題になっただけのような気もする。

彼は彼らしくあって欲しい。

asshi_elvis at 16:08 │この記事をクリップ!日記