食肉の生食にご用心

 平成19年の腸管出血性大腸菌O157による食中毒は、全国で25件、 928名の患者が発生しています。大阪府でも、肉の加熱不足や生レバー・ユッケなど肉類の生食が原因と推定される食中毒が4件(患者数16名)発生しています。
 大阪府(大阪市、堺市、高槻市及び東大阪市を除く)の本菌による感染者は187名であり、その内44%が12歳以下の子どもです。発症する前の10日間に食べたものを調査したところ、47%の人が生レバーやユッケなどの「生肉」を食べていたことがわかりました。
 また、鶏肉の生食や加熱不足による
カンピロバクター食中毒が全国的に増加の傾向にあり、平成19年大阪府では、30件、223名の患者が発生しています。
 このような食中毒を防止するために、お肉を食べる際の正しい知識をもちましょう。


わん太博士 わん太博士の「お肉のお勉強教室」

みーちゃん 食中毒予防のポイント
  営業者の皆様へ
  消費者の皆様へ  



 わん太博士の「お肉のお勉強教室」

わん太博士
わん太博士
「今日はみんなが大好物のお肉のお勉強をしましょう。とっても美味しい
お肉もルール違反の食べ方をすると、食中毒になったりするんだよ。
食中毒を起こす細菌である
腸管出血性大腸菌O157はウシの腸の中
に、
サルモネラ属菌
は、ウシやブタ、ニワトリの腸の中に、また、カンピ
ロバクター
は主に鶏の腸の中にいることが分かっているんだ。」
みーちゃん
みーちゃん

「なるほど!だから、お肉になるために加工される途中で、そのばい菌が
お肉にくっついてしまうんだね。」

わん太博士
わん太博士

「正解!」

みーちゃん
みーちゃん

「じゃあ博士、お肉は生で食べたらいけないの?」

わん太博士
わん太博士

「生で食べることのできるお肉は、厚生労働省により加工・保存・表示に
ついてそれぞれ生食用食肉の衛生基準目標が定められているんだよ。
だから、これらの基準をクリアーしないと生食用食肉として、販売したり、
レストランなどでお客さんに出すことはできないんだよ。」

みーちゃん
みーちゃん

「じゃあ、「生食用」と適正に表示されている食肉以外は必ず
十分に加熱
する必要があるんですね。」
わん太博士
わん太博士

特に小さな子どもがO157に感染すると重症になることもあるので、
予防のためにも、
生レバーユッケ、加熱不十分なお肉を子ども達に、
食べさせないように、大人達も気をつけないとね。

みーちゃん
みーちゃん


「私、レアーステーキが大好物なんだけど、大丈夫かな?」


わん太博士
わん太博士

「はじめに言ったように、お肉の表面には0157などの食中毒を起こす菌
が付いていることがあるんだよ。だから、表面を加熱すれば大丈夫だけど、
最近、
硬いお肉を柔らかくしたり、お肉に調味液を入れたり、肉片を固めて
ステーキ肉の形にしたり
と、いろんな処理をした食肉があるんだ。
このような処理をされた食肉は、表面の細菌が内部まで汚染している恐れ
があるので、十分な加熱が必要なんだよ。」

みーちゃん
みーちゃん

「でも、お肉を見ただけじゃ、そういう処理をしているかわからないよ、
博士。」

わん太博士
わん太博士

「うーん、いいところに気がついたね。厚生労働省では、お肉を処理する
業者に対して、そのような処理をした食肉には『十分な加熱が必要です』
という内容を表示するなどして情報提供しなさいと指導しているのさ。」

みーちゃん
みーちゃん

「ところで、十分な加熱っていったいどれくらいなの?」

わん太博士
わん太博士

中心部を75℃1分間以上加熱すれば、食肉についていた菌は全部
死んでしまうから、安心。安心。」

みーちゃん
みーちゃん

「博士って、本当にもの知りだね。いま教えてもらったことをお友達や
家族にも教えてあげて、食中毒にかからないようにみんなで気をつけ
よっと。」


食肉に付着している可能性がある主な食中毒菌と特徴
腸管出血性
大腸菌O157
加熱不十分のハンバーグや生肉、生レバーなどが原因となる。
潜伏時間:3〜8日
症状:腹痛、下痢(血便)、発熱、HUS(溶血性尿毒症症候群)
※腸の中で「ベロ毒素」という毒素を出す。
サルモネラ属菌 卵やその加工品、食肉などが原因になることが多い。
潜伏時間:6〜72時間
症状:下痢・腹痛・高熱
※近年、卵によるサルモネラ・エンテリティディスによる食中毒
が増加している。
カンピロバクター 鶏肉などの食肉、ペットから汚染された食品や水が
原因となる。
潜伏時間:1〜10日
症状:まず頭痛・発熱などのかぜ様症状、次に下痢・腹痛

※潜伏時間:病原体が体の中に入ってから、症状が現れるまでの時間






 食中毒予防のポイント
 
営業者の皆様へ

食肉処理業・食肉販売業
  加熱調理用の食肉を生食用として販売しないでください。
  生食用の食肉を販売する場合は、生食用の表示のある食肉を仕入れて、厚生労働省の定めた生食用食肉の衛生基準目標(成分規格・加工基準・保存基準・表示基準目標)を守ってください。 
なお、現在のところ、大阪府内のとちく場では牛生レバー等を生食用としては出荷しておりません。
  販売先の焼肉店などで基準を満たさない食肉が生食用として提供されることがないよう、積極的に注意喚起してください。
  テンダライズ処理(針状の刃を刺して、硬い筋・繊維を切断する)、タンブリング処理(調味液を機械的にしみこませる)した食肉及び結着させたステーキ肉等については、調理段階で中心部まで加熱が必要な旨、表示等により使用者に情報提供して下さい。
  食肉を販売する時は、消費者に対して十分な加熱調理をして食べるよう声をかけましょう。

飲食店(焼肉店)
  加熱調理用の食肉等を生食用として提供しないでください。
  利用者に対し、肉を焼くときの取り箸、トング等は専用のものを提供してください。
  ユッケ等の生食用の食肉は、生食用の表示のあるものを仕入れて、提供してください。
  調理段階で中心部まで加熱が必要な旨が表示されている食肉を提供す
る場合は、中心部まで十分な加熱(75℃1分間)を行ってください。
 
  子どもや高齢者に生レバーやユッケ、鶏肉の刺身などの
生食の提供は控えてください。

消費者の皆様へ
  食肉を取り扱う手や包丁、まな板などを介して食品を汚染する場合があります。ご家庭で肉類を調理をする際は、手洗いや調理器具等の洗浄・消毒を徹底するなど注意が必要です。
  食肉を食べる際は、中心までしっかり加熱して食べましょう。
  箸を介して感染することがあります。肉を焼く箸と食べる箸を使い分けましょう。
  子どもや高齢者は、生レバーやユッケ、鶏肉の刺身などを食べないようにしましょう。
 調理従事者はもちろん、子どもや高齢者と接する職業の方も食べないようにしましょう。感染を広げる原因になることがあります。
生レバー、ユッケ、鳥刺しなど生で食べるのは大変危険です。十分加熱して食べましょう。

   《関係リンク・リーフレット》
   大阪府健康福祉部保健医療室:腸管出血性大腸菌O157にご注意!
      患者発生数、啓発チラシ、消毒方法など
   厚生労働省:家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
   厚生労働省:O157Q&A
   厚生労働省:カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)

   リーフレット:子どもに生レバー、ユッケを食べさせないで!(PDF
   リーフレット:O157感染症から子どもを守ろう(PDF)
   リーフレット:カンピロバクター食中毒を防ごう(PDF)
   ポスター:お肉を知っておいしく食べよう!

   


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