スラッシュドット・ジャパン

法律の基礎は単語ではなくて条文ですからね。
条文は他の条文や法律全体の趣旨、さらに広く社会通念や社会状況と適合するよう読まなくてはならない。
その場合抜き出して読むと不自然な解釈でも、全体を読めばそうなんだなと分かる。
他の法律や憲法との兼ね合いで読み方が決まる場合は厄介で、その法律をどう読んでもそういった解釈にならない。
裁判でも法律全体をスポイルしないために、ある条文を憲法に適合するよう限定的に解釈する、みたいなことがありますね。
ついでに、裁判で、ある法律のある条文のAという言葉が問題になったとする。
その事件に照らし合わせると、Aと書いてあるんだけど、そこから少し足したり引いたりしてA'と解釈するのが適当だった。
この場合裁判というものの特性からA'と読んでしまえばいいんだけど、
どのような場合にまでA'と読むべきなのかという問題が発生します。
さらに他の法律にAと書いてがどうするのか。
こういうのをひっくるめて判例の射程という言葉で表したりしますね。
関係ないけどさらに法学にまで広げると(広げなくても)、変な言葉遣いが氾濫しています。
これは外国の法学や判例から概念を輸入したときに、
その概念を表すのにその概念を外国で表していた単語の直訳で済ませてしまったからです。
「主観的」なんて言葉は真に意味不明で、主観的に解釈してしまうと訳が分からなくなってしまいます。
後一般的な概念を表しているようで、その実歴史的に固有のものを指し示している場合もあります。
超然内閣と言ってもただ超然とした内閣を意味するのではなく、日本史で習ったあそこらへんの内閣を示しているようなものです。
法治主義と法の支配(の違い)なんかがわかりやすいですね。
これらがある特定の体制を示すために使われるのですが、そのまま一般的というか、それっぽい感じでも使われることがあります。
新聞に新しい法律の条文が載っている事があるけど、あんなもの普通の人に読めるわけが無いし、
それは大学で4年学んでも変わらないよ、と先生が言っていたのが思い出されます。