麻生太郎首相は次期衆院選について、今月21日の週に解散、8月30日投開票と決めた。1890(明治23)年の第1回衆院選以降、7月の解散は初めて。8月投開票は100年以上前の明治時代に2度あるだけで、極めて異例だ。
過去44回の衆院選のうち、8月の投開票は、大隈重信内閣の1898(明治31)年と、任期満了選挙となった桂太郎内閣の1902(明治35)年で、いずれも8月10日だった。8月の衆院選が避けられてきた背景には(1)夏休みの行楽シーズンで投票率低下が予想される(2)選挙運動が広島、長崎の原爆の日や終戦記念日などに重なりかねない(3)猛暑のさなかの選挙戦は有権者や候補者、運動員の負担が大きい-などの事情が指摘されている。
衆院解散から投開票までの期間も、現行憲法下で最長となる可能性がある。公選法は衆院解散の翌日から40日以内に衆院選を行うと規定しており、これまでの最長は前回衆院選の34日。7月21日解散なら8月30日の投開票まで40日となり、公選法が定める期間を最大限使う形になる。