2009-07-13
ゴシック・クラブイベントに知人のコルセット職人さんのファッションショウを観に行った。
彼の作るコルセットは輸入品の高級ものよりもお値段はお手ごろにも関わらず、
彼一人の手によって注文者の要望やサイズに合わせて制作される。
ボーンにもスチールが使われ、その着け心地は日本のコルセットブランドとして有名な
エクサントリークの比ではない拘束感と締め上げ力。
壁に手をついてもたれた私は、苦痛の中に感じる愉悦に恍惚の表情を浮かべ、
周囲にいた者たちに恥ずかしげもなくあえぎ声を響かせた。
失神寸前のところで床にくったりと座り込み、
毛穴から汗という汗が吹き上がる。
みなが心配する中、私は肉体の芯に残った悦楽に酔いしれていた。
2009-06-21
私たちはお互いにお互いを独占したくて堪らず、
お互いにお互いを拘束しあいたく、
繋がって、しがみつきあってばかりいる。
組織の中で拘束する側にあった男が拘束される側の少女に愛情を注ぐ。
組織解体後、大人になった彼女が今やホテルマンとなった彼の勤めるホテルに偶然泊まる。
お互いがお互いに気づく。
女は最初、彼におびえているかのように見える。
男が執拗に女に視線を送っているかのように見える。
幾度か挿入される拘束されていた時期の二人の関係。
彼女の腕の傷を舐める彼。
脅えていたかのように見えた彼女は男のもとに戻ってくる。
意外にも彼女は彼に激しい口付けを始めた。
二人は固く抱き合い、笑い転げる。
女は男のアパートにやってくる。
夫への連絡もなく、そこで暮らし始める。
二人の歪んだ愛の歴史が再び動き出し、倒錯の中で二人は激しく求め合う。
「彼女は僕の天使なんだ。運命の再会ではなく、これは聖書の物語なんだ」
しかし組織の残党が彼らを追い詰め、彼らの退廃的な生活は破綻する。
ダンサーは彼一人の前で裸になり、激しく踊る。
そして薬を注射してくれるように頼む。
「君が一番上手だよ」
ソドミーの比喩のようだった。
投げ出された肉体、明確に示される感情は激しい愛欲だけ。
そればかり気をとられていたが、
私の恋人はダンサーが一番心に残ったという。
結局、ダンサーは男への片思いが報われず、
組織の中の自分と彼への愛に葛藤し、彼を見殺しにしてしまうのだから、
ルチアは妻という身分を捨て、マックスとの愛欲への道に走った。
ルチアはマックスを求め、求められた。
立場を捨てて愛を取る者、立場を捨てられずに愛との間で葛藤する者。
求められる者、求められない者。
その発想はなかったし、確かに指摘されてみると気づくことがある。
彼と一緒に見て良かったと思った。
「最後、彼ら二人を撃ったのがバードだったら面白いのにね」
「そうだったら確かに面白い」
それが私たちの出した結論。
「私はその映画の中で一番自分に近いと感じる役の立場から作品を観てしまうけれど、
もしあなたもそうだとしたら、それはそれで面白い」
愛と誠
初めまして。ともさん体力ありますよね。オールナイト上映なんて。。
自分も学生の頃はよく行きましたが、今なら確実に一本目で寝ます。
愛の嵐、エロかったですね!
automate_tomo 体力ならありますね。でも、次の日が辛くなるようになってきました。もう年が年ですから。「愛の嵐」はエロいというか、うん、エロかったです。
2009-06-18
「入って」と言うと
彼は「入って?」と聞き返してきた。
「そう、入って」
私はもう一度、言い直した。
彼は固く勃起しており、もう何回連続で交わったのかわからなかったけれど、
彼はそのペニスを片手でつかみ、もう片手で私のヴァギナを開いた。
「そうだね、入るよ」
何度してもしたくなる。
足りない。
まだしたい。
僕はマスターベーションを覚えた猿だ。
それでもやはり何回も繋がりたい。
「それならば、また入る?」
私はにっこりと笑った。
コンドームはまだ残ってる?
大丈夫。まだあるから、まだ…
彼は私に抱きつき、舌を絡め、そしてすばやく避妊具を装着した。
「なんでこんなに立つのだろうか…」
「射精するときのその歪めた顔は、まるでこの世に誕生した瞬間の赤ん坊と一緒ね」
「あなた、私の中に入り、男になりながら、最終的には私から出産されてるのよ」
私は彼の萎れたペニスからゴムを外し、小さくなったそれを口に含み、吸った。
「苦い」
私は髪の毛を耳にかけ、それをまた吸った。
彼は声を上げ、少し体を仰け反らせた気がした。
その反応から私はこれを続けることを判断し、そのまま舌で舐め続けると、
それはいつの間にか本来の姿を誇り、彼は懇願する。
「そのまま、お願い…」
私は何も言わずに続ける。舌で舐め、吸い、根元を手でしごき、
時には睾丸を口に含み、彼が達するまでそれをいろいろな手段で刺激し、
彼は私の口中に射精し、私はそれを飲む。
乱れた髪の毛を直していると、彼もまた、私の髪を解してくれる。
「枝毛はあえて切りません。どうせ長さをそろえたりしているうちに
毛先を切ったりするでしょうから、ならばある程度の長さを残すことに専念します。
これはもう、預かり物だと思っていますから」
彼は私を抱きしめ、「ありがとう」と。
「この髪の毛は今はカラーリングをしていませんが、
ここまで伸びる間に何回もカラーリングを経験し、さらに縮毛矯正も年に2回されています。
次は私、もう髪を染めません。もちろんシャギーもいれず、なるべく傷まないように伸ばします」
あなたが私に飲ませたこれは、きっと私の髪の毛をつくるでしょう。
私は少しずつ、あなたによって構成されていくのです。
私は今度、ピルを飲もうかと思っています。
そうすれば今度は私の体内にもあなたの精液が入ってきますね。
どんどんと私とあなたは近づいていきます。
私の方が年が上だけれども、幾度も繰り返せば、細胞は代謝を繰り返しますから、
私の体のどれぐらいかはあなたによって生み出されるでしょう。
だから、がんばって出してくださいね。
もう一体、あなたは特別な方法で人形を作り出すのですから。
彼は再び勃起していた。
2009-06-16 決定
写真は顔を渦巻きにしてしまったけれど私。
でも今はもう少し痩せている。
電話があった。
詳しい日取りは決まっていない。
長さもまだわからない。
70センチの人形になる。
私は泣かなかった。
電話越しに涙を流し、肩を固め、首に力を込め、
普段と何も変えぬように装いながら、
涙を流した。
この髪の毛が切られる。
いいのだ。望んだことだ。
彼が私に初めて会った帰り道、
「失礼かもしれませんし、気持ち悪いと思うかもしれませんが、
良かったら僕の人形にあなたの髪の毛を使わせてもらえませんか」
このとき、彼への気持ちは決定した。
だから、これは喜ぶことである。
そして何時完成するのかわからない。
だからあと数ヶ月。
私は今までよりも入念にケアしなければならない。
すぐにでも美容室に行き、トリートメントをして来ようか。
やはり毛先の枝毛は自分でカットしようか。
切られたあとの私の髪の毛はどれだけ残るのだろう。
腰まで伸びた髪の毛。
機会があればボブにしたいと口では言っていたものの、
いつまでも切れずにいた髪の毛。
大切にしてください。
2009-06-15
道玄坂のラブホテル、2階の部屋の窓を開けると通りには群がっている若者たち。
彼らはどこへ行くわけでもなく、地面に座り込む者、佇む者、身体を揺さぶる者、
誰もがそこから何かしらの緩みを漂わせ、0時を過ぎた渋谷を構築していた。
こういった場所に滅多に来るわけではない。
感じた総てが印象づき、記憶に残るほど若くはない。
私はバッグから手帳を取り出した。
もちろんそのような場所に私は恋人と訪れているのだし、
そのような場所だからこそ、彼は私とセックスをすることを望んでおり、
私も同様であったが、私は彼と抱き合うよりもまず、
手帳を取り出し、窓から身を乗り出して、目に映るものを書き留めることだけしか頭になかった。
恋人はスキニーを穿いた私の足をさすり、私の尻から背中へと手を伸ばし、
私の情感が高まらせようとしていた。
……ような気がする。
私は窓の外の出来事に余りにも夢中になっていたため、
それ以外に注意を払う余裕がなかったのだ。
窓のすぐ正面の地面に座り込んだ4人の少女たち。
誰もが肌を露出し、若いだけで弛みきった腕や背中を恥ずことなく曝している。
それがいったい何を目的とするものなのか、私には検討もつかなかった。
その若いだけで弛みきった腕は、きっと私ならば隠してしまうものだった。
もしかしたら。
その潔さと無恥さが若さというのかもしれない。
彼女たちは地面に座ったまま、他愛もないことを喋っていた。
そこには意味など何もなかった。
誰もが噛みあわない上に意味のない台詞を発し、そこに座っていた。
しばらくすると少年?青年?いくつになるのか、もう私にはわからない、
ただ若いことだけはわかる男の子たちが幾人か歩いてきた。
彼らは彼らの集団で流行しているのであろう服装で身を飾っていたが、
やはり私にはそれがただ汚らしいだけのものにしか見えなかった。
こうして自分の感覚が年老いていくのだろう。
彼らはすぐ2階の窓から身を乗り出している私に声をかけてきた。
「そこ、ラブホ?」
「一人でいるの?」
一瞬、戸惑いはしたが、すぐに笑顔を作り、手を振って言い放った。
「ええ、ホテルよ。でも一人じゃないわ。三人」
彼らは歓声を上げた。
「まじっすか?!」
「ていうか、お姉さん、すげえ美人っすよね?!」
「3P効果のフェロモン?!」
「気持ちよかった?」
私はクスクスと笑いながら、自分の目つきが彼らを見下しながらも誘うようなものに変化していることを自覚した。
この下衆な男たちは確かにこんなところから身を乗り出している女がいたから、
ノリと弾みで声をかけてきたに過ぎないが、今はもう、私個人に興味が移動している。
それは何故か?
身を乗り出した私はTシャツを着ていたけれど、それは身体のシルエットを露にするデザインであり、
私の大きな胸や引き締まった腰の括れを明確にしていた。
地面に座り込んだ少女たちと異なり、明らかに私は引き締まった肉体に、
まるでゴヤの描いたマハのように彼らには手の届かない位置にいる女でありながら、
淫らな目つきを同情のように送ってあげていたからだ。
「お姉さん、Sっぽい」
「ていうか、プレイ激しそう」
「俺も混ぜて!」
一人が飛び上がり、その手は窓のふちに届いた。
私は驚いたが、それを顔に臆面も出さず、ゆっくりと彼の額を撫で、
「どきなさい」
とあえて優しい声音で言い放った。
「やめとけよ」
「ずりいよ!」
彼らは口々に喚き、彼の脚を引き摺り下ろした。
そして
「今度は俺も混ぜてね!」
「じゃあ楽しんでね!」
などと言って去っていった。
彼らの後ろにはやはり下着なのか判別のつかないような服を着た、
私よりは10歳は若いのであろう少女がおり、
彼らの一人が思い出したかのように彼女の垂れた尻を撫でた。
彼女は私を振り返り、嫉妬のこもった目つきで睨んでいた。
彼女の身体もやはり弛みきっていた。
「すげえフェロモンだったよな」
「まじであっちとやりてえ」
「胸、超でかくなかった?」
「美人だったけど、なんか怖えよ」
彼らの声が遠くまで響いていた。
全てが去った後、ホテルの管理人や、飲み屋の経営者らしき初老の男たちだけが
その通りを歩き、残されたものは何もなかった。
音さえも消えたかのようになり、私は深いため息をついた。
全ては去った。
しかし全てを私はかきとめた。
この目にしたもの、この耳にしたもの。
出来事を反芻し、文章を考え、練りたかったけれども、
私は自分の内だけの思考を止め、窓を閉めた。
そして振り返り、「ごめんなさい」と声をかけた。
「こういうところ、早々来ないから、全てを観察しておきたかったの」
「何を書いていたの?」
「全てよ」
「シャワー、浴びて来る」
腰掛けていたベッドから立ち上がると、彼は私に抱きつき、押し倒してきた。
「浴びなくていいよ」
服の上から胸を掴み、
私の腰を抱きながら口の中に舌を入れてきた。
「引き締まっていて、細い」
「僕のほうが弛んでる」
「でも私、もう30歳のおばさんよ。確かに鍛えてはいるけれど、いつかは垂れるわ」
「それでも、やっぱり僕には可愛い女の子にしか見えないんです」
彼はそのまま、私のTシャツをめくり上げ、ブラジャーをずらし、乳房をまさぐった。
「今日はあなたの方から頼んでくるまで入れたくない」
そういうと彼は私の股間に顔を埋め、舌を動かし、唇で吸い始めた。
この行為は確かに気持ちよい。
彼とのセックスも大好きではある。
しかし途中でやめるというのならば、別にそれはそれで仕方ないと納得する。
けれどもどうやらそういうことではないようだった。
「いつも僕ばかりな気がするんです」
「僕ばかりあなたのことを求めている気がしてしまうんです」
「私はあなたのことが大好きだし、本当に今までの誰よりも好きよ。
お世辞や一時の感情ではなく、本当にこの30年間であなたは最高なのに」
同じことを彼が言ったとしてもそれは21年という時間であり、まだ社会に出ていない大学生の台詞だ。
恋愛における経験はしなくてもいいくらいしてきたと感じる私が
今、本気で言っているのに。何がいったい不安なのだろうか。
不思議そうな顔をしている私を彼は抱きしめてきた。
「可愛い」
また口から出そうになった台詞;「私はもう30歳の…」
ああ、そうか。
最近の私はどこか変わったらしく、以前にも増して男から声をかけられたりすることが多くなった。
彼と一緒にいるときでさえ、私に向かって手を振ってくる男や
「超可愛い」と言ってくる男たちがいて、
駅で彼と分かれた後、ナンパしてきた男に追いかけられたりしている。
それだけではない。
私は明け透けな性格のため、自分の過去の男たちの話をしていた。
それがまだ若く学生の身分である彼に非力さを感じさせていたのだ。
「あなたが過去は過去だと割り切っているのはわかるけれど、
いちいち嫉妬してしまう自分が嫌なんです。この弱さが嫌なんです。
僕はあなたより知識もない。
その上、あなたの過去の男たちには地位も知識もある男ばかりで、
いつかあなたに飽きられて捨てられてしまう気がするんです」
「お願い、入れて」
私は彼の背中に立てるために伸ばしている爪で、彼の背中を引掻いた。
あなたが私より知識がないのは当たり前じゃないの。
9歳上なのにあなたより無知だったら、余程私が馬鹿じゃないの。
あなたなんて9歳下なのに、今までの誰よりもセックスが上手で、
確かに多少は私との間に知識量の差異こそあれ、感性でカバーが出来て、
その上、あなたは私の夢をかなえてくれるのよ。
あなたしか私の夢をかなえてくれる人はいないのよ。
射精した後の彼のペニスについた精液を舐めとり、
そこに私の長い長い髪の毛を巻きつけ、引き絞った。
「痛い?」
「そんなことをしたら、髪の毛が汚れて…」
「この髪の毛はもう私のものじゃないわ。
あなたが切って、あなたの人形になるのよ。
あなたが私のことを思いながら作った人形の髪の毛になるのよ」
2009-06-02
「あなたは彼を愛していたから、その骨を食べたのですか?」
この質問は鋭い。
愛していなかったから別れを告げ、その結果として彼の死がある。
それなのにそこで私が彼への愛を持ち出すのは矛盾が生じる。
「彼は愛した私と共に滅ぶことが夢でした。
それが適わないとなったとき、彼は私の身代わりの物たちだけでも連れて、
一人で死んでいくことにしたのです。
彼は私と共にあることを望んでいました。
だからその骨を食べ、彼を私の中に取り込んであげたのです。
そうなると彼は今後、私が別の男に抱かれるところをも見ることになるでしょう。
それでも私の中に取り込むことで、私が死んだとき、彼は私を自分のものに出来るような気がするのです」
「でも、本当は単なる好奇心です。人間の骨がどんな味がするのか」
■
私は思うのです。
人間でも動物でも新たな生命を生みだすとき、
そこにはエロティシズムが存在する。
同じようにそれが生命のないものだとしても、
誕生するからにはエロティシズムが生じた結果だと思うのです。
「その髪の毛、切るときがきたら、僕にくれませんか?」
これを何に使うのですか?
「人形の髪の毛に使うのです」
それは何時になりますか?もしかしたら私は切らないかもしれない。
「僕の人形の腕がもっと上手くなったらでいいです」
この髪の毛、染めてはいないけれども少し傷んでいるけれど。
「いいんです」
じゃあ、私はこの髪の毛を今よりも大切に扱わなくてはならないわね。
私はいつかあなたの作る人形の一部となるのだ。
あなたのエロティシズムの産物と一体化する。
そこには性交よりも甘美なエロスが存在するように感じられるのだ。
もしも必要になったときは、あなたの手で切り落として。
mirainodaifugoo 2009/06/27 20:18 何だか分からないけど、いつも見てます。
私にとっては不思議な世界ですが、私に周りにはない世界でもあります。
だから、興味もあるんでしょうけど・・・。
automate_tomo 2009/06/28 11:25 ご覧頂き、ありがとうございます。ごく一般人のありきたりの日常生活だと思いますよ。でも一般的って何だかわかりませんけれども。
mirainodaifugoo 2009/06/28 17:57 そうですね。
私が知らないだけかもしれません。
いずれにせよ、今後も拝見させていただきますね。
automate_tomo 2009/06/29 01:50 あなたの住む世界も私にはよくわからない世界であることと同様に、
あなたも私の住む世界がわかりませんよね。
きっとお互いに別の世界に住んでいるのだと思います。
ここはM78星雲ですが、そちらはどちらでしょうか?
mirainodaifugoo 2009/06/29 18:25 そうですねぇ。
私の住むところは、「平成時代における日本戦国時代の生まれ変わりの私が500年前を思い出す世界」といったところですな。