2009年7月13日2時21分
都議会での自民、公明の過半数割れが確実になると、民主党参院議員の鈴木寛都連幹事長は「新銀行東京、築地市場など、きちっとマニフェストに明記した。都民に信任されたマニフェストに基づいて知事に対峙(たいじ)していく」と語った。
選挙前、自公の過半数割れを「(都政運営で)大きな混乱もある」「見当がつかない」と表現していた石原知事。残り任期2年となり、その懸念は現実となり、窮地に立たされた。
約1千億円の累積赤字を抱え、都が400億円を追加出資した新銀行東京。石原知事は経営再建を目指している。しかし、民主党は都議選のマニフェストで「事業譲渡や株式の売却などを含め、早期に撤退」と公約している。
建設予定地で高濃度の土壌汚染が見つかった築地市場の移転計画にも、民主党は「強引な移転に反対。現在地の再整備を改めて検討する」。14年12月のオープンを目指す新市場に、都は総事業費4316億円を見込んでいる。関連する予算案が民主党などの反対多数で否決されれば、移転計画は立ちゆかなくなる。
16年五輪の東京招致も民主党は「条件つき賛成」で、収容規模10万人を想定しているメーンスタジアム建設は過大投資だとして都に見直しを求めている。こうした主張は、東京・生活者ネットワークや共産党とも通じるところが多い。仮に10月2日の国際オリンピック委員会総会で東京開催が決まったとしても、計画の見直しが避けられなくなりそうだ。
自民、公明両党が石原都政の与党となったのは、石原知事1期目の途中からだ。それ以降、都は自民、公明両党との調整さえ済めば、議案を通すことができた。しかし、第1党となった民主党が都議会の主要ポストを占めるのは確実だ。知事側も民主党の意向は無視できなくなる。