Print this Post Article Lists Back

FTA:「ハブ国家」目指す韓国(下)

 外交通商部の李恵民(イ・ヘミン)通商交渉本部交渉代表は「EUと米国が韓国市場をめぐり繰り広げる競争関係を考えれば、韓国とEUのFTA交渉妥結が韓米FTA批准にもプラスになるだろう」と指摘した。

 また、韓国が現在推進している日本とのFTA交渉にも拍車がかかる可能性がある。欧州から精密化学、機械分野での輸入が増え、日本からの輸入が減少する可能性があるためだ。日本は昨年、対韓国で328億ドルの貿易黒字を記録した。ライバルのドイツの自動車、機械産業が韓国とのFTA締結で競争力を持てば、日本には不利になる可能性がある。通商交渉本部関係者は「日本の業界は韓米FTAよりも韓国とEUのFTAの行方に注目している。日本の経団連が日本政府に対策を求めたほどだ」と語った。

◆GDPに2-3%の底上げ効果

 韓国にとって、EUは中国に次ぐ貿易相手先だ。年初来6月20日までの期間で、韓国の対EU輸出額は212億ドル、対EU輸入額は135億ドルに達し、貿易収支は77億ドルの黒字だった。貿易黒字の規模は対中国(112億ドル)に次ぐ。FTAが締結されていなくても黒字を上げてきた市場だ。対外経済政策研究院(KIEP)は、韓国とEUのFTAが発効すれば、韓国の国内総生産(GDP)は15兆7000億-24兆ウォン(約1兆1400億-1兆7400億円)増加するとみている。これはGDPを2-3%底上げする効果があることを示している。

 同研究院のソ・ジンギョ研究調整室長は「韓国とEUのFTAは韓国の国家信用度を高める上でもプラスの役割を果たす」と述べた。

金正薫(キム・ジョンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る