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2/1夜のNHK-ETV特集で辺見庸の『しのびよる破局のなかで』の
放送があり、講演とインタビューを交えた1時間半の長い番組だったが、惹き込まれて見入った。だけでなく、録画したビデオをまた見た。辺見庸が語るテレビ番組を見るのは二度目で、昨年の5月に「新日曜美術館」でジャコメッリの写真について論じた特集があり、それを見たときも、暫く頭から離れずに
記事を2本上げた。今回はもっと強烈で、これから暫くの間、辺見庸の発した言葉と向かい合って考える時間が続きそうな予感がする。辺見庸は文章だけでなくオーラルの説得力が素晴らしい。これほど感動的な知識人のオーラルに接したのは、20年前の司馬遼太郎の『
太郎の国の物語』を見たとき以来の経験ではないか。あの6回シリーズの最終回、われわれに「微弱なる電流」の言葉を残した傑作の映像は、何度も何度も録画を見直して、その度に涙が流れるのを止められなかった。今回、辺見庸が語った重い内容は、どうやら「週刊金曜日」に
活字になっている。放送を見逃した方は「週刊金曜日」をご覧いただきたい。
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