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五つ星 小椋久美子&潮田玲子

五つ星 小椋久美子&潮田玲子

人気、実力日本一…次は“世界の輝き”

練習直後、汗をにじませながら笑顔を見せる潮田玲子(左)と小椋久美子
Photo By スポニチ

 熱い風がコートを吹き抜けていく。バドミントン界で“オグシオ”の愛称で呼ばれるペアの人気がブレークしている。小椋久美子(22)、潮田玲子(21=ともに三洋電機)の2人だ。超美形のダブルスペアはマイナースポーツのイメージを一新させた。3年後の08年北京五輪でメダルを狙える期待の星。15日からは米国・アナハイムの世界選手権に挑む。(編集委員室・宮坂直人)

性格、プレースタイルは正反対

ダブルスの練習で息のぴったり合ったコンビネーションを見せる潮田玲子(左)と小椋久美子
Photo By スポニチ

 見られる、注目される喜びが、励みになり勇気を注入してくれる。「オグッチ(小椋)もうイッポン」「レイちゃん(潮田)頑張って」。観客席から“オグシオ”に送られる“スマッシュコール”。バドミントンがマイナースポーツからメジャーへの階段を上っていることを実感させる。4月のヨネックスジャパンオープンでは世界の強豪を相手に準決勝まで勝ち上がった。3800人収容の代々木第2体育館は異例の満員札止めと膨れ上がった。

 この熱いムードの中で昨年は2セットで7点しか奪えなかった世界ランク2位の中国、イーリー、ティンティン組を相手に大健闘。第1セットは7―15も第2セットは13―15と競り合っての惜敗。圧倒的な強さを誇る中国勢に力負けしなかった。「パワーで差を感じなくなってきた」(小椋)「球(シャトル)が見えるようになったしラリーもできるようになった」。つかんだ自信は2人をさらに大きくさせている。ダブルスはエンド6メートル70、サイド6メートル10の狭いコートに2人が入って打ち合う。シングルスより空間がない分、スピードとパワーが要求される。高校時代ともにシングルプレーヤーだったが、海外遠征で初めてコンビを組みダブルスのアグレッシブな魅力にとりつかれた。ジュニアのオランダ大会で潮田が、ドイツ大会では小椋がシングルスでそれぞれ3位に入ったが、ペアを組んだダブルスでは両大会で2位、世界をより身近に感じさせた。

組んで6年 日本一が自信に

ヨネックスオープンジャパン、準決勝でウェイ・チャオ組(中国)に敗れた小椋・潮田組
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 初めて会った時から2人は気心が合い、ときめきを感じた。性格はのんびり型で静の小椋に対し積極的で動の潮田と正反対。だが「一緒にいて気持ちがなごむ。心が許せるから何でも話せ、楽しい」と口を合わせる仲になっていった。高校は大阪の小椋、九州の潮田と離れていたが「一緒にコンビを組んで世界を目指して戦いたい」。心が1つになって三洋電機入社となった。

 “美人ペア”としてデビューから注目されてきた。コンビを組んで6年。当初は実力よりルックスばかりで騒がれることに抵抗感を覚えた。潮田は「力もないのに騒がれて先輩ペアに申し訳ない、そっとしておいて、とね」と振り返る。このジレンマも強くなることで解消されていく。昨年の全日本で優勝、日本一になって自信に変わった。

「もっとメジャーにしたい」−−ランク15位

ダブルスの練習で息のぴったり合ったコンビネーションを見せる潮田玲子(右)と小椋久美子
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 プレースタイルは性格とは逆で剛の小椋、柔の潮田。コート内で左右の位置のスイッチは息もピッタリ、攻守の役割分担はできている。日本バドミントン協会・今井理事は「カミソリの潮田、ナタの小椋ですかね。潮田は相手のプレーを分析し、冷静な試合運びができ、ネット際のショットが切れる。小椋は1メートル70の長身から繰り出すスマッシュが破壊力抜群」と分析する。スマッシュの初速は男子で300キロを超すが、女子も230キロは出る。ともに200キロを超すが「小椋はもっとムチのように腕が振れれば230キロも出せる。潮田にはそれを引き出すテクニックがある。北京でメダルが狙える素材」とナショナル強化部の藤原理事は目を細める。

 バルセロナ五輪から正式種目になったバドミントン。これまでシドニーのシングルスで水井素子の5位入賞が最高。それだけに目下世界ランク15位ながらもジャパンオープンで3位に入った2人には、北京でのメダル獲りの期待が膨らむ。

 「課題はメンタル面。勝負どころで自信を持って戦えるよう練習を積み重ねたい」(小椋)

 「自信を持って中国の選手と戦い、結果を残したい。世界選手権ではベスト8には…。もっとスピード、瞬発力をつけたい」(潮田)

目指すは北京メダルでのメダル

やさしい表情で潮田玲子を見つめる小椋久美子(右)
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 世界ランクを独占する中国の壁は厚い。だが、ジャパンオープンで後半対等に戦い、コンプレックスはない。今井理事は「日本待望のビジュアルペア。中国選手の一角を崩して決勝に進んでほしい」と15日からの世界選手権に思いをはせる。

 今や所属する三洋電機の公式ホームページに掲載される2人の画像はファンサイトに無断掲載されるフィーバーぶり。バドミントン協会製作の教本DVDは1万本を売り上げ、出演したテレビ「ジャンクSPORTS」(フジテレビ)の視聴率も通常より4%アップの20%をマーク、再登場の打診もきている。過熱する人気に2人は「勝つことによってもっとバドミントンをメジャーにしたい」と口をそろえる。名実ともスーパーアイドルへ強く、美しく、戦いを挑む。

 ≪北京五輪出場は直前ランクで枠決定≫シングルス、ダブルスとも出場枠は五輪前の世界ランクで決まる。アテネまではダブルスで1組が16位以内に入っていれば2組が出場できたが、北京では改正される。16位以内で1、8位内で2、4位内で3組が出られる。現在、小椋・潮田組は世界15位で当確。

小椋久美子(おぐら・くみこ)

やさしい表情でバドミントンについて語る小椋久美子
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 1983年(昭58)7月5日、三重県生まれの22歳。3つ年上の姉・由美子さんの影響を受け8歳からバドミントンを始める。四天王寺高では選抜大会で優勝、ジュニア代表。三洋電機に入社した1年目の02年の日本総合シングルスで優勝。長身から繰り出すスマッシュの威力は抜群。好きな男性のタイプは仲村トオル。趣味は映画(ホラー)お菓子作り。右利き。1メートル70。血液型A。

潮田玲子(しおた・れいこ)

真摯な眼差し(まなざし)でバドミントンについて語る潮田玲子
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 1983年(昭58)9月30日、福岡県生まれの21歳。6歳の時、友人に誘われバドミントンを始める。新津中で全国中学大会優勝。九州国際大付属高でも全国制覇。ジュニア日本体表。三洋電機では03年スコットランド国際優勝。切れのあるスマッシュは天下一品。趣味はショッピング、スーパー銭湯めぐり。好きな男性のタイプは誠実な熱血漢型で坂口憲二。1メートル66。右利き。血液型A。

    

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