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きょうのコラム「時鐘」 2009年7月13日
野球では、何人もの選手がエラーや失投を重ねて、敗戦濃厚となった試合に登板を命じられ形だけの責任を取る「敗戦処理投手」がいる
バブル経済崩壊のころ多くの名門企業で「最後のトップ」が企業破綻(はたん)の責任を取り、中には罪を問われた人もいた。最終責任をだれに絞り込むのか。チームの敗北を1人に押しつけてすむのか。難しい事例が多かった 旧日債銀の粉飾決算事件の上告審弁論が11月に開かれることが決定した。過去の手続き上からみても元会長らの逆転無罪の公算が大きい。ちょうど1年前の今ごろ、旧長銀事件で最高裁が元頭取らを逆転無罪にしたケースと同じだからだ 先の尼崎脱線事故でJR西日本社長1人が起訴されたのも、敗戦に直結する1球を投げた投手を強引に絞り込む図式に似ている。もっとも、企業のトップは野球とは違って「最終責任」を取る覚悟がなければ就いてはいけないポストかもしれない。政治家もそうだ 前任者や歴代のトップに責任転嫁するようでは、トップになる資格はない。で、麻生さんはどうなのだろう。まだ「敗戦党首」と決まったわけではないが。 |