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歌舞伎:中村七之助が「桜姫」で主演 大竹しのぶが演じた現代劇の桜姫と連続上演

 ◇二重、三重のおもしろさある--シアターコクーンで

 中村七之助が東京・渋谷のシアターコクーンで上演中の歌舞伎「桜姫」(串田和美演出)で、桜姫を演じている。【小玉祥子】

 6月の福岡・博多座で「金閣寺」の雪姫を初演するなど、大役が続く。「充実していますが大変です」と七之助。「雪姫は縛られているし、役として終始悲しい気持ちで、やっていて何も楽しくなかった。やはり、これは大変な役だと思いました」

 コクーンでは6月、鶴屋南北作品を現代劇に書き換えた「桜姫」(長塚圭史脚本、串田演出)が、大竹しのぶの桜姫により上演された。舞台上にも客席が設けられ、観客が前後左右から芝居を注視できる仕掛けになっていた。その形式は今回も引き継がれている。

 「全部見られてしまう。6月の舞台を拝見していて、汗が出て胃が痛くなりました」

 桜姫は吉田家の息女から遊女にまで身を落とす。彼女は実は僧の清玄(中村勘三郎)と心中をはかり、命を落とした白菊丸の生まれ代わり。生き残った清玄はそれを知り、桜姫につきまとう。だが、桜姫が愛したのは悪党の権助(中村橋之助)だった。

 「大竹さんと僕という2人の人間が桜姫を連続して演じますが、桜姫にも実は白菊丸というもう一人の自分がいる。今回の企画には二重、三重のおもしろさがありますね」

 歌舞伎の登場人物の中で桜姫のように、ためらいなく落ちていく女性は少ないだろう。

 「水のような女性で、状況に抵抗しないところが魅力。それがお姫様というものなんですね。人の言うがままに生きているようでありながら、わがままだし、信じる人のためには自分から進んで身を売ってしまう。きっとダメな男を好きな女性なんでしょうね」

 30日まで。問い合わせは03・5565・6000へ。

毎日新聞 2009年7月13日 東京夕刊

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