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相次ぐ県職員不祥事、県民の不信感ピーク 知事緊急会見、3度深々と頭

2009年07月11日 08:05
酒酔い運転と痴漢の容疑で県職員2人が相次いで逮捕されたことを受けて記者会見を開き、沈痛な表情で謝罪する吉村美栄子知事(左から2人目)と総務部幹部=10日午後8時54分、県庁
酒酔い運転と痴漢の容疑で県職員2人が相次いで逮捕されたことを受けて記者会見を開き、沈痛な表情で謝罪する吉村美栄子知事(左から2人目)と総務部幹部=10日午後8時54分、県庁
 「1日に不祥事が相次いで発生し、県民におわびの言葉を繰り返すしかない」−。県職員が相次いで逮捕されるという異常事態を受け、吉村美栄子知事は10日夜、県庁で緊急会見し、沈痛な表情でこう語った。大型の補正予算案が審議された県議会6月定例会が9日に閉会したばかり。気の緩みか、あるいは県民の奉仕者であるべき公務員としての意識の欠如か。警察官を含む県職員の飲酒運転などの不祥事は後を絶たず、県に対する県民の不信感、怒りはピークに達している。

 相次いだ県職員の不祥事を受け、吉村知事は10日夜、県庁で緊急の記者会見を開き、沈痛な表情で「県民に対し心からおわびを申し上げる」と謝罪した。吉村知事は約20分間の会見中、3度にわたって深々と頭を下げた。

 鶴岡市の国道7号で同日午前、酒に酔って乗用車を運転した容疑で県置賜総合支庁職員の田村求容疑者(56)が、さらに同日午後にはJR仙台駅前で女性の体を触ったとして宮城県迷惑防止条例違反の疑いで県河川砂防課の岡部博征容疑者(39)がそれぞれ現行犯逮捕された。1日で2人の県職員が逮捕されるという異常事態を受け、吉村知事は同日午後8時半すぎから緊急会見に臨んだ。

 会見には、吉村知事と総務部幹部3人が出席。吉村知事は冒頭、「同じ日に立て続けに発生した県職員の不祥事。県民にただただ、おわびの言葉を繰り返すしかない」と消え入りそうな声で謝罪した。さらに「人間としてあるまじき行為。綱紀粛正の徹底を図り、実効性ある対策を速やかに講じる必要がある」と再発防止に向けた決意を述べた。

 飲酒運転の容疑で逮捕された田村容疑者は、地滑りが発生している鶴岡市・七五三掛地区の復旧工事に携わり、現地に派遣されていた。一方、迷惑防止条例違反の容疑で逮捕された岡部容疑者は、河川砂防課の砂防・災害復旧室に属し、同地区の対応にかかわっていた。

 県はきょう11日午前、全庁的な綱紀粛正を図るため臨時部長会議を開く。

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