高給で知られるテレビ局社員も、大幅なボーナス・カットに見舞われている。
「こんなに減らされたら、ローンを払えませんよ」
フジテレビのある幹部の元には、後輩社員が数人相談に来たという。ボーナス返済を頼りに、住宅ローンを組んでいる社員にとっては減額は痛手だ。
小誌の取材によれば、各局のカット額は四十歳社員平均で次の通り。
TBS=▲七十四万円
テレビ朝日=▲七十二万円
テレビ東京=▲六十三万円
読売テレビ=▲百十万円
関西テレビ=▲百万円
朝日放送=▲五十九万円
「最も高給と言われるフジは、業績に応じたボーナス制度のため同期でも金額が異なるようですが、昨年比で百万円前後のカット(四十歳)と見られています」(民放某局社員)
減額で百万円もあるなら、元はいくらなのかと調べてみたものの、実態はわからない。
テレビ局の経営はCM収入頼み。昨年は広告の収入減が大きく響いた。〇九年三月期の決算で、テレビ朝日とテレビ東京が赤字に転落。他の各局も苦しい決算が続いた。
ただ、このご時勢だけに社員も「あきらめ」ムード。
「これまでは『めちゃくちゃ働くけど、人よりは多少いい生活をして、遊ぶときは遊ぶ!』というノリがありました。でもいまは残業代の締めつけも厳しく、生活レベルは落とすしかありませんね」(朝日放送社員)
「社内の先輩が、地デジ対応の液晶テレビを買うのはやめたと言っていました」(テレ東社員)
各社広報部に問い合わせたところ、「給与も賞与も具体的な数字はいっさい公表していない」(TBS、テレ東、読売、関テレ)、「ボーナスは全般で減額しているが、役職や部署により減少額が異なるので一概にはお答えできない」(テレ朝)、「ボーナスは社員によって異なる。数字は公表していない」(フジ、朝日放送)と数字に関してはノーコメント。
テレビ局社員はこう話す。
「百万円以上もボーナスをもらえるのは幸せなことだなーって思います。目先のボーナスより、テレビ業界の存続のほうが心配です」
元々給与水準が高いせいか、社員の口ぶりに危機感が感じられないのも事実である。