経済危機の長期化は避けられない ――市場経済モデルの衰退は地政学秩序をどう変えるか |
| ロジャー・アルトマン/元米財務副長官 |
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「現在の経済危機は秩序を揺るがすグローバルな事件だ。世界経済の今後は全般的にきわめて憂鬱な状況にあり、状況を不安定化させるような深刻なリセッションが世界中を覆い尽くしている。しかも、この30年にわたって地球を席巻してきた市場経済資本主義、グローバル化、規制緩和というアングロ・サクソンモデルの時代が終わりつつある。・・・(今後を考える上で)重要なのは「深刻なグローバル・リセッションが長期化する」と考えられ、金融危機によって受けた大きなダメージゆえに世界の3大経済であるアメリカ、EU、日本が循環的な回復を遂げることはおそらくあり得ないこと、そして中国が明らかな勝者として台頭しつつあることだ」
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論争 グローバル経済危機はいつまで続くのか ――日米、二つの経済バブルを検証する |
| ロバート・マッドセン/マサチューセッツ工科大学国際研究センター シニア・フェロー
リチャード・カッツ/オリエンタル・エコノミスト・アラート誌編集長 |
| 今回の金融危機の原因はアメリカででたらめな住宅ローンが組まれた結果なのか、それとも、中国その他の過剰貯蓄が米市場に流れこんでバブルを発生させたのか。犯人は行き過ぎた規制緩和なのか、それとも「グローバル・インバランス」なのか。今後のグローバル経済の中期予測、そして規制強化をめぐるグローバル金融改革の方向性は、危機を引き起こした原因を何とみなすかで大きく違ってくる。以下は、フォーリン・アフェアーズ・リポート4月号に掲載したリチャード・カッツの論文『アメリカは「日本の失われた10年」と同じ道をたどるのか』に対するロバート・マッドセンのコメントとカッツの再反論。
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CFRアップデート 中国経済は日本経済の救世主になれるか
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| ブライアン・クライン/米外交問題評議会国際関係フェロー |
| 「日本経済の長期的な安定を実現するには、行き過ぎた輸出依存体制を根本的に見直す必要がある。輸出市場を次から次へと乗り換えるやり方では、国内における所得格差の拡大、家計貯蓄率の低下、機能不全に陥っている医療制度などの問題を安定的に解決することはできない。輸出は今後も引き続き日本の経済成長の主要なファクターであり続けるだろうし、輸入を支える外貨を獲得する原動力となることは間違いない。だが、このままグローバル・インバランスの影響を受けやすい「派生的経済体質」を温存するのは、日本のさらなる発展を阻む足かせになる」。 |
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CFRミーティング 金融危機の教訓 ――ドルの暴落とインフレの危機がやってくる? |
| ベン・ステイル/米外交問題評議会(CFR)シニア・フェロー(国際経済担当)
セバスチャン・マラビー/CFR地政経済学研究センター所長 |
| 「今回の(金融)危機の進展と政府の政策の余波は重なり合っている。たとえば、低所得世帯向けローン拡大策が、米投資銀行のレバレッジの拡大を招いた。・・・低所得世帯やマイノリティーの持ち家比率を上げることは政策の優先課題だった。ハイリスクローンの拡大を未然に防ごうとしても、おそらくそれを押さえ込もうとする政治的抵抗を受けていただろう。・・・いずれ米政府は自らが市場に吐き出した資金を吸い上げようと、最大1兆ドルの民間資産をあわただしく市場で投げ売りすることになるだろう。しかし、実際のFRBの行動は迅速性と積極性を欠くものになる可能性がある。そうなれば、米国債は大幅に下落し、長期金利の急上昇とドルの急落を招き、その半年後から1年後にはインフレ率が大幅に上昇することになる」。 |
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フォーリン・アフェアーズ・インタラクティブ 「国家資本主義の台頭と市場経済の終わり?」 ――読者の疑問にイアン・ブレマーが答える |
| イアン・ブレマー/ユーラシア・グループ会長 |
| 「G20の交渉テーブルに就く新しいプレイヤーたちは『経済において政府が果たすべき適切な役割は何か、国際貿易や投資の流れに関する公正でもっとも効率的なやり方は何か』について、G7の指導者たちとは根本的に異なる考えを持っている。・・・・・・今後、市場経済、国家資本主義という概念をめぐるつばぜりあいが国家間で起きる。G20は、金融危機がなぜ引き起こされたか、危機の再発を防止するためにどうすればよいかについての(市場経済国と国家資本主義国の)異なる解釈がぶつかり合う場となるだろう」。(I・ブレマー)
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CFRインタビュー イランで展開される劇的な権力ドラマの内幕 ――ハメネイはムサビを受け入れるか |
| カリム・サジャプアー/カーネギー国際平和財団 アソシエーツ |
| 「イランにおいて全ての判断を下しているのは最高指導者のハメネイだ。・・・しかしラフサンジャニが、反ハメネイの立場からコムの高位宗教指導者との連帯を組織しようとしているし、真の宗教的権威をもつモンタゼリも今回の選挙とハメネイの統治に公然と挑戦している。ハメネイは、その再選を政府が公表しているアフマディネジャド大統領を生け贄にするか、自分も船から降りるかどうかをいずれ決めなければならなくなる。ハメネイは非常に微妙な立場に立たされている。妥協しすぎれば、弱さの証しとみなされるだろうし、デモはますます拡大する。一方で、全く妥協しなければ、不正が行われたと広く考えられている選挙で再選された人気のない大統領を守るために自らも失脚してしまう危険に直面する」。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティグ・エディター) |