戦略的アイドル オグシオ

戦略的アイドル…「マイナー」脱却期待 「オグシオ」でファン拡大へ


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戦略的アイドル オグシオ

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ハンカチ王子にハニカミ王子、ビーチの妖精…。スポーツ界はアイドル花盛りだが、バドミントン女子ダブルスの「オグシオ」こと小椋久美子(24)と潮田玲子(24)=ともに三洋電機=のペアは、自然発生的に注目を集める他の選手とは異なる。ルックスに着目した日本バドミントン協会が、5年をかけて育てた戦略的なアイドルだ。2人の肩には、マイナースポーツからの脱却を目指すバドミントン界の期待が掛かっている。
(田中佐和)(産経新聞)

 9月10日に発売されたオグシオ初の写真集は、1カ月で約6000部を売り上げた。写真集やDVDは「ビーチの妖精」ことビーチバレーの浅尾美和も出版したが、違うのは協会が「公式写真集」と認定した点。サッカー日本代表などの例はあるが、個人競技では初めてだ。
 内容はプレーシーンのほか控室での表情や普段着のオフショットなど浅尾とほぼ同じ。だが、タレントとして事務所に所属する浅尾の場合は仕事の一つ。日本ビーチバレー連盟は「協力」の立場で実入りはない。公式だと売り上げの数%が協会に入り、強化費として生かされる。
 始まりは、2人が三洋電機入りした5年前にさかのぼる。「スターにしよう」。日本協会の今井茂満理事と三洋スタッフとの間で、既に路線は決まった。
 ともにルックスは関係者の間で知られていた。高校時代に全日本ユース合宿で初めてペアを組んで正規ペアをいきなり破ってしまうなど、実力もお墨付きだ。狙いは当たり、1年ほどすると世間で話題になり始めた。
 協会はさらに、バドミントン人気の底上げにつなげようとした。今井理事はいう。「重要なのは競技の素晴らしさをいかに見せるかだ」
 例えば、写真集発売と同時期に開催された国際大会「ヨネックスオープンジャパン」では、一般客の撮影規制をしなかった。「『オグシオ撮り放題』と来る人がいても、そう何時間も撮らない。そのうちに飽きて、試合を見るようになる」
 オグシオは2回戦で敗退し観客も激減か…とメディア関係者はみた。ところが1回戦2000人、2回戦2200人に対し、オグシオ不在となった翌日の準々決勝は2500人。さらに準決勝は5100人と右肩上がりで、最終日を前に昨年を上回った。
 2人の効果はオグシオ個人のファンから競技ファンへの拡大にとどまらず、実際に競技を行う層も増やした。5年前に2万1486人だった小学生連盟の加盟者は昨年、2万4577人になった。ジュニアプロジェクトを立ち上げ、組織的な指導育成体制を築いた影響もある。ただオグシオが騒がれる裏で、受け入れ先のスクールを増やすなど地道な活動が相乗効果となった。
 オグシオを使った仕上げともいえる作戦が、来年の北京五輪だ。人気とともに実力も蓄えた2人は8月の世界選手権(クアラルンプール)で3位に入り、本番でのメダルも夢ではなくなった。
 世界最大の舞台で活躍すれば「バドミントンをメジャーに」との協会の悲願は大きく前進する。容姿以上の実力を見せられるか-。戦略的アイドルの真価が問われる。

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