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アスリート・リレーメッセージ

第5回 バドミントン女子ダブルス 小椋久美子・潮田玲子選手

今回は「オグシオ」の愛称で全国に知られた人気ペア、バドミントン女子ダブルスの小椋久美子選手と潮田玲子選手。インタビューでも、息の合ったコンビネーションを見せてくれました。
2007.05.19
Athelete Relay Message 第5回 小椋久美子選手&潮田玲子選手
アテネ大会で、オリンピックは「夢」から「目標」に変わりました
小椋選手イメージ

―まず、オリンピックの思い出からうかがいます。2004年のアテネは惜しかったですね。
 大会直前に小椋選手が骨折。このアクシデントがなければ、出場できていたのでは?

小椋 オリンピックは小さいころからの夢でした。その「夢」が「目標」に変わったのは、アテネへの出場枠をかけてオリンピックレース(※オリンピック前年の5月から翌年4月まで行われる国際試合。戦績がポイントに換算され、世界ランク16位までがオリンピックに出場できる)に参加したとき。小学校6年生から全国大会に出るようになって、親に「将来はオリンピックね!」なんて冗談で言われていたんですが、まさか実現するものだとは思いませんでした。それだけに、あと一歩で出場を逃したときはすごく悔しかったですね。

―潮田選手は、他の選手との混合ダブルスでオリンピックを狙うこともできましたが?

潮田 オグッチ(小椋選手)抜きでのオリンピックは考えていませんでした。もともと、子どものころから、オリンピックは全く頭になかったんですよ。自分がそれほどの選手とは思えなかったし。でも、オグッチに誘われて今の会社に入り、ペアでいい成績を残せるようになってはじめて、オリンピックを意識できるようになりました。すべてオグッチのおかげ。だから、ひとりでオリンピックに出るという発想は、私にはなかったんです。

―見る側の立場として、印象に残っている大会はありますか?

小椋 私は前回のアテネ大会。大会序盤から柔道のヤワラちゃんたちが大活躍して、日本をグイグイ引っぱっていって、スゴイと思いながら見ていました。いつか自分もあの舞台に立ってみたいと強く願うようになった大会ですね。

潮田 私はオリンピックというと陸上競技のイメージが強いですね。深夜や早朝、母がよくテレビ中継を見ていたのを憶えています。印象に残っているのはバルセロナとアトランタの有森裕子選手。「自分で自分をほめたいと思います」の言葉には感動しました。

国際大会で嬉しいのは、現地の人に日本語で「こんにちは」と言われること
潮田選手イメージ

―東京都は今、2016年のオリンピック招致を目指しています。東京オリンピックに何を期待しますか?

潮田 私たちにとって、昨年のドーハのアジア大会が、初めて経験する国際的な総合競技大会でした。選手村に入村したのも初めてで、食事の面で少し戸惑いましたね。食べられるものが少なくて。アテネオリンピックに出られた選手の方に聞くと、それでもアテネよりよかったそうですが……。

小椋 食事は大きく分けてインド料理風のもの、中国料理、パスタの3種類が並んでいました。口に合うものが少ないこともあって、食べるものが毎日決まってしまいます。栄養面まではとても考えられませんでした。

潮田 東京でオリンピックが開催されれば、どの国の選手も喜ぶと思いますよ。来日した経験のある外国人選手はだれもが、試合進行も食事も素晴らしかったと言いますから。

―国際大会では、海外から集まる人々を開催国がどう“おもてなし”するかが成功のカギを握ります。アジア大会で、何か印象に残っているサービスはありますか?

潮田 ドーハでは、選手村のレストランの人たちが日本語で「こんにちは」と挨拶してくれるのが嬉しかったですね。いろいろな国の「こんにちは」の言葉を覚えていて、選手のジャージについている国旗を見て、使い分けていたみたいです。何回かは中国語と韓国語で話しかけられましたけど……。

小椋 東京オリンピックでは、サービススタッフの方たち全員が、あらゆる国の「こんにちは」を覚えているといいかもしれませんね(笑)

北京大会に向けて、悔いを残さない1年にしたい
第15回アジア競技大会
第15回アジア競技大会(2006/ドーハ)では、見事銅メダルを獲得(Photo:AFLO SPORT)

―これからの抱負をお聞かせください。

潮田 アテネに出られないとわかったとき、自分は出たかったんだ!と初めて気づきました。そして二人で、「今度は4年後の北京を目指してがんばろうね!」と誓ったんです。5月から、オリンピックレースといわれる1年が始まりますが、今度は絶対に失敗したくありません。やるべきことはすべてやって、悔いを残さない1年にしたいと思います。

小椋 私とレイちゃん(潮田選手)にとっては重要な1年になります。二人の集大成が見せられるように頑張りたいですね。

―お二人にとってオリンピックとは?

潮田 プレーヤーとして最大の目標。自分の競技生活のすべてを賭けて、目指すべきものだと思います。

小椋 4年間の思いが詰まったもの、ですね。アテネに出られなかったのは結局、オリンピックに対する思いが私たちより諸先輩方の方が強かったから。アテネを見て、心から出たいと思ったので、この4年間の思いを無駄にしないで挑戦していきたい。すべてのスポーツ選手にとって、オリンピックに出場することは目標ですから。

―最後に、次回このコーナーに登場する女子レスリングの吉田沙保里選手に一言メッセージを。

小椋 同じ三重県出身なので、吉田選手が活躍されている姿にいつも励まされています。今までお見かけしてもなかなか声をかけることができませんでしたが、今度は勇気を出して話しかけてみます。

潮田 「勝って当たり前」と思われる中で、結果を出し続けるのは本当にスゴイと思います。来年はぜひ北京の選手村でお会いしましょう!

吉田沙保里選手イメージ
(Photo:フォート・キシモト)

※次回アスリート・リレーメッセージは、女子レスリングの吉田沙保里選手です。

小椋久美子選手&潮田玲子選手プロフィール

【小椋久美子選手プロフィール】

おぐらくみこ◆1983年7月5日三重県生まれ。171cm、A型。四天王寺高~三洋電機(株)。姉の影響で8歳からバドミントンを始め、2001年全国高校選抜シングルスで準優勝。2002年オールジャパンシングルス優勝。2002年以降、潮田選手とダブルスを組む。後衛からの強烈なスマッシュ(初速時速260km)とレシーブ力が武器。愛称は「オグッチ」。


【潮田玲子選手プロフィール】

しおたれいこ◆1983年9月30日福岡県生まれ。166cm、A型。九州国際大付属高女子部~三洋電機(株)。6歳から名門クラブでバドミントンを始め、98年シングルスで全国中学大会優勝。2000年全日本ジュニア優勝。2002年以降、小椋選手とダブルスを組む。試合の流れを冷静に読み、自在にシャトルをさばくのが得意。愛称は「レイ」。


「オグシオ」コンビとしては、2004~2006年オールジャパンで女子ダブルス3連覇。2005年デンマークオープン優勝。2006年アジア大会銅メダル。2007年アジアバドミントン選手権大会3位。現在、女子ダブルスで国内ランキング1位、BWF世界ランキング15位。