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日本代表としても活躍している三洋電機バドミントンチームのダブルス、「オグシオ」こと小椋久美子選手、潮田玲子選手にインタビューしました。 2006年を振り返ると、前半は注目されることによるプレッシャーに負けてしまうことが多かったけれど、後半その経験、反省を活かして「自分達のプレー」が出来るようになったといいます。
今季スーパーシリーズにも参戦し、オリンピック出場へ向けてのレースに賭ける2人の想いや、三洋というチーム、バドミントンのココを見てほしいなどをうかがいました。
――三洋チームはどんなチームですか?
小椋(以下、小):今日、昨日は体の調子を戻す練習なので、和気藹々ですが、そういう練習ばっかりではないし、普段は目指しているもの一人一人あるし、三洋を背負っている責任感というのもあるので、雰囲気は他の人から見たらぴりぴりしているときもありますね。普段はご飯一緒に食べたりと仲いいですけど。そういう面を持ちながら、いいチームなんじゃないかな(笑)。
潮田(以下、潮):選手層が厚いと思います。シングルスにも、ダブルスにもナショナルチームに在籍している選手もいるし。はいっていない人ももちろん日本のトップに入っているし。
もともと強い選手を採っているから、強くて当たり前と言われるけど、でもそれだけの努力もしている。練習で、お互いの刺激をもらっているから、抜かれたら自分が落ちていくのも分かるし、ほんとに厳しいと思います。
層が厚いというのはそれだけの努力もあって、何年間もの私達だけでなく先輩達の努力もあって、今の三洋があると思うし継続させていきたいです。いい意味でみんなのプライドもあるし。
――チームでの2人の役割は?
潮:オグッチボケだよね結構。(笑)
小:(苦笑)ネタにされるだけ~。ボケではないけど!
潮:わたしはムードメーカーではないし、普通。
小:ひとりひとりがみんな明るくて個性がつよくて、誰かが中心というのもなくて、誰か が話し始めると輪になってワーと話たり。仲よくて。
潮:女の子ってよく色々あると言われるけど、全然なくてみんな仲良しですよ。
喧嘩することもないですしね。
――誰がチームをまとめるんですか?
小&潮:(声をあわせて) “キャプテンが!”(笑)
小:わたし達は年齢的には中堅どころだけど、チームをまとめるという責任感あんまりないですね(笑)。
潮:あまりまとめようということもなくて、とりあえず上の人についていこうと。そしたら下の人もついてくるかななんて。わりにのびのびやってますね。
――お互いから見た性格、プレー、長所を教えてください。
小:攻撃をしているとき、玉をよんで最後決めてくれるときなど、後ろから撃ってても、信頼できる。安心感がある。いろんな人と組んでみて、何も言わずに息が合うのはやはりレイちゃん(潮田)かな。安心感、信頼感がありますね。
潮:オグッチがほんとに能力が高いので、私がついていこうという気持ちがありますね。スピードも早いので、合わせようという気持ちが強いです。あまり後衛から試合を決めることがないので、とりあえず自分が繋いで、玉を作って(攻撃のきっかけをつくって)と思っています。信頼してるから出来るんです。
――ずっといるけど、いやなところ、ストレスたまったりしない?
小:ぜんぜん喧嘩しないし。逆にずっと一緒にいるからかな。家族以上に一緒にいるし、いて当たり前の存在。ストレスないですね。性格に合うんでしょうね。
ペアとしてもすごく大きなメリットでしょうね。
ペアそれぞれと思いますが、仲がいいというのは必要な要素ですね。お互い信頼してないとうまく出来ないことですよね。
――ダブルスに必要な要素は?
潮:たぶん信頼もそうだし、お互いが合わせようとすることですね。ミスをしたときに「なんでミスしたんだ!」と思わないのとよく聞かれますが、お互いの能力を認めているから、そんなこと思わないし、相手の調子が悪いときはそれに合わせて、遅ければ遅い方に合わせてと、「合わせる事」が大切だと考えています。
小:これだけはというのは「2人で合わせよう」ということ。それがうまくできなかったら、穴が出来るし、スピード上げてもだめだろうし。
あとは自分達のいい形はそれが「攻撃」だと思う。ずっと守っていても勝てない。最後は攻撃している方が勝つわけですし。あとリーチがお互いあるし、角度、スピードが他の選手よりもあるかな。
――プレイヤーとして考えていること心がけていることは?
潮:きつい練習とか、息の上がる練習とかいやなんですよね。でも同じきついことやるなら、どうせやるなら自分にプラスなるようにやろうと思ってます。嫌なんですけど、ランニングとか。でもそういう甘さは、試合に出てくると思う。だから練習とかもどうせやるならちゃんとやろうと心がけています。
小:試合に臨むときに思っているのは、試合までの準備が一番大事ということ。それを自分の中で試合に合わせて準備出来たということが自信になるし。試合前不安になるけど、不安になるより、コレだけやって試合に負けても、間違いじゃないと思えるくらい準備する。後悔しないように。それで負けたら負けたで、次に頑張ろうと切り替えられるし。何もしないで負けたらただ悔しいだけだから。
――試合直前はどうしていますか
潮:オグッチが一人で集中したいタイプなので全然一緒にはいないです。別々にアップして試合に入る直前に確認しあって、コートに向かう。それぞれ入り方が違いますね。
私はしゃべりけられたらしゃべって、そんなに一人の世界でガーと行く方ではないです。試合の前にやるアップは絶対やろうというのがあって、あとはイメージトレーニングをします。
小:私は自分の世界に入って、周りの音が聞こえないくらいで音楽を聞いたり、自分のいいプレーをイメージしたり。余裕持って行けるように、自分の世界が作れるようにしています。
――注目されることは慣れましたか?
潮:もうだいぶ慣れました。本当に考え方で、注目されることは嬉しいのですけど、人の為にやっているわけでなくて、まずは自分たちの為にやろうと考えているので。
結果がそれでついてきたら認めてもらえるわけですから。
それから、彼女がきっかけでバドミントン始めたと言われたらうれしい。やって良かったなとすごく思えます。がんばることで反響、影響があることはうれしいです。
小:周りのお客さんの声援はパワーになって、プレッシャーではないです。
違う意味でプレッシャーを感じるときはあるかもしれないですけど。「みんなのためにがんばんなきゃ」がプレッシャーには今はなっていないですね。
――バドミントンのココを見てほしいというところは?
小:バドミントンの試合を見たことがない人は、たぶん(山なりに)ポーン、ポーンという感じだと思うんですけど、初めて見たらスピードとか、動きのハードなところとかも驚くだろうし、激しさのあるスポーツだということを分かってもらいたいな。
潮:とにかく、テレビでみたら、うまい人がやったらすごい簡単そうに見えるけど、実は難しいんですよ。
私たちはダブルスなのでコンビネーションとか、あと、攻撃型なので、一人だけの攻撃じゃなくて、(前衛・後衛)くるくる回りながら攻撃している、そういうコンビネーションの部分を見てほしいですね。
あと私は守りから攻めに切り返すのが好きで、切り替えして、オグッチに玉が帰るようにして、あとオグッチが攻めて“おいしいとこどり”っていうパターンが多いんですね。それを見てほしいです。
小:私はその“おいしい玉”が上がったのに対して、攻撃するだけなんですけど(笑)。自分はリーチがあるほうなので、高さ、スピード、あと顔みてください。集中して、吼えてる自分を見てください。全然普段と違うんです。顔つき考えたほうがいいと親に言われるくらい。(笑)
潮:それ(オグッチの顔)みんな驚くんです。オンとオフがすごい。全然私は変わんないですよ。
――今年のチーム活動抱負について
潮:三洋として、一番は日本リーグの6連覇、過去最高の連覇が目標です。
当たり前だと思われている中で勝つことは難しいけど、努力はしてきていますし、強さはあると思うんです。
小:三洋のチームで勝つこと、三洋を背負って試合をしているので、チームに貢献できるのは団体戦。そういう意味で実業団、日本リーグで、自分達が勝って優勝につなげたいです。
潮:いい状態で、韓国オープンまでには、5月のレースまでに調子もどして、何か手ごたえを感じられたらいいです。
小:いい試合ができるかという不安もある。アジアが終わって、マレーシアは初めてのオープン大会。5月のレースまでにひとつひとつポイントをあげたい。どうなるか分からないけど、自分達の試合をしていきたい。
――今年はどういう一年ですか?
潮:前回アテネの際にオリンピックへのレースに参加したのですが、勝ちたい気持ちと、体がついていかないというバランスがすごく難しくて、また体の調子が良くても、メンタルがついていけないという難しい状況もあって。やっぱり4年待ってのレースなので、今年は失敗できない。ほんとに、悔いが無い様にしたいです。でられなかったとしても五輪も大切だけど、納得行くようにやっていかないとと思う。この一年はほんとに重要な一年です。
小:4 年前に出られなくて、そのときにまた4年間必死にがんばりたいと思いました。また挑戦できるところに立って、今までの想いがあるし、1年間過酷だけど、終わったときに満足と思える悔いだけは残さない一年にしたい。4年前に怪我をしていいレースができなかったから、怪我や体調面で去年以上に気をつけて行きたいです。去年も体がついていかなかった部分もあったので、体作りもしていかないと、足元すくわれちゃうかなと思うので、体づくりもちゃんとやって挑戦したいです。
――オリンピックへの想いは?
潮:オリンピックへの想いは子どものころは全然無くて、目指すようになったのは、前回アテネのときレースに参加して、先輩の姿とかも見て初めてオリンピックに出たいなと思いました。それまでは漠然としていたんですけれど。アテネにでられなかったこともあるし、あと日本のトップでもないのに目指していいのかなと自信も無かったんです。今は日本一の自分がオリンピック目指さなきゃいけないと思うし、夢と可憧れのところのレベルではなくて、手の届くところに、現実的なところにあります。
オグッチとの出会いも大きくて、出会わなかったら三洋にもはいっていなかったですし、目指してなかったと思う。そういう想いもあってだから今は絶対に行きたいです。
小:小さいときからの夢だったんです。オリンピックとうのが自分の中では一番大きな大会で、それに出たから満足というわけではないだろうけど、今までのバドミントン人生を賭けてでもどうしても出たいです。
(2007.1.5 大東スポーツセンターにて)
■小椋久美子選手・潮田玲子選手プロフィール
2002年から三洋電機バドミントンでダブルスのペアを組み現在国内ランキング女子ダブルス1位・BWF世界ランキング15位。
三洋電機バドミントンチーム公式サイト(http://www.sanyo.co.jp/social/badminton/)