「韓国版任天堂」を目指すゲーム業界
国内だけでなく海外市場の攻略も狙う
韓国のゲームメーカーが機能性ゲームの開発に力を入れている。ゲーム業界は昨年の世界的な金融危機の中でも、史上初めて10億ドル(約960億円)の輸出を達成した。今年もさまざまな機能性を前面に出し、国内外の市場攻略に乗り出している。まずは来年の輸出目標を昨年の2倍に当たる20億ドル(約1920億円)に設定した。同業界はまた、健康や学習などをテーマとしたゲームも販売し、ゲームに対するネガティブなイメージを一掃したい考えだ。
◆韓国版の任天堂を目指せ
機能性ゲームとは、ゲームの娯楽的な要素に健康や学習などをテーマとする公益性を付加したゲームのことを意味する。その口火を切ったのは日本の任天堂だ。任天堂は「家族皆が楽しむことのできるゲーム」を目標に機能性ゲームの開発に着手し、大成功を収めた。例えば「脳トレ」は、2007年に韓国で販売以来、これまで40万本を売り上げ、ヨガや体操などを楽しめるWiiFitは2007年の販売開始以来、世界で2000万本が売れるなど、爆発的な人気を集めている。
韓国企業もこうした刺激を受け、今年に入ってから機能性ゲームの開発に本格的に乗り出している。一部ではすでに成果も出始めている。NHNハンゲームがサービスを展開している漢字学習ゲーム「漢字マル」は、2カ月で37万人の会員を獲得した。ゲーム自体は無料だが、ゲームに登場する数々のアイテムやオフラインでの漢字学習紙の販売により、毎月3億ウォン(約2200万円)の売り上げを記録している。
このゲームを開発したエデュプロ社は、2年かけて成均館大学の漢文教育学者やハーバード大学の教育心理学者らと共同で研究・開発を行い、「面白さ」と「教育効果」の双方を実現させることに成功した。
ネクソンは大教や熊津シンクビッグなど大手教材メーカーと提携し、オンラインでのクイズゲーム「キュープレイ」を開発、35万人の会員を獲得した。ハンビッソフトの英会話ゲーム「オーディション・イングリッシュ」も今年2月のサービス開始以来、150万人が体験するほど人気を集めている。
◆一時的な流行に終わらないように
韓国政府は今年5月、「機能性ゲーム活性化戦略報告会」を開催し、2012年までにこの分野に800億ウォン(約60億円)を投じ、5000億ウォン(約370億円)規模の市場を育成すると発表した。韓国最大のネット企業であるNHNは、100億ウォン(約7億4000万円)を投じて機能性ゲーム研究所を設立した。NCソフトやCJインターネットなどの大手ゲームソフト会社も機能性ゲームを専門に取り扱う部署を運営しており、すでに市場に参入している。しかし一方で、世界最大のゲーム市場である米国や欧州でも機能性ゲームの市場性については未だ検証されていないことから、今の過熱気味の雰囲気に対してはやや心配する声もある。
チョン・ジンヨン記者
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