2009年7月6日
パソコンのセキュリティーというと、ウイルス対策ソフトを導入したり、OSを小まめに更新したり、あるいは暗号化ソフトをインストールしたりといった対策をイメージしがちです。しかし、それだけで慢心してしまい、操作の基本を怠っているようでは万全とはいえません。今回は、日ごろ簡単にできる割に、うっかり忘れがちなパソコンとネットの安全対策についてお知らせします。
■離席時は画面ロック 共用パソコンに注意
勤め先で席を外すとき、パソコンの画面をそのままにしていませんか? 数分で戻るつもりが、余分な用事ができて気がついたら数十分あけてしまうことはよくあります。その間、自分のパソコンは他人が自由に使うことができ、情報の漏出やなりすましメールなど、さまざまなトラブルの原因になります。
職場の同僚を疑うのかといわれるかもしれませんが、逆です。何か間違いが起きたとき、同僚を疑うような原因を作ること自体を避けるべきなのです。
席を離れる際の基本はパソコンをロックすること。キーボード左下のウィンドウズキーを押しながら「L」を押せばロックされ、通常の操作ができなくなります。ウィンドウズキーがないパソコンでは、「Ctrl」と「Alt」と「Del」キーを一緒に押して、「コンピュータのロック」を選びましょう。
解除する場合は、やはり「Ctrl」と「Alt」と「Del」を一緒に押して、パスワードを入力します。パスワードは、ウィンドウズにログオンするときと同じものです。わからない場合は、職場のネットワーク担当者に尋ねましょう。
とはいえ、毎回ロックするのも大変。忘れるのが普通です。そういう場合に備えて、自動的にロックされるように設定しておく方法があります。一定時間がたつとスクリーンセーバーが作動するようにしておき、その解除にパスワード入力が必要なようにするわけです(図上)。「待ち時間」とある欄で、何分後にロックがかかるのかを選択できます。ウィンドウズXPとビスタで、用語や画面表示がやや違います。
職場やホテルなどにある共用パソコンを利用する場合は、ウェブメールや通販サイトなどは利用しないのが原則です。ブラウザーはIDやパスワードを覚えようとするので、操作を間違えると自分の登録IDが記録され、あとから使う他人が簡単に利用できてしまいます。
最新のインターネット・エクスプローラー8は「イン・プライベート」モードが加わり、そうした記録を防げますが、古い「7」のままの企業も多いはず。くわしい人以外は、共用パソコンでパスワードなどを入力するのは避けましょう。
パスワード入力をしなくても閲覧したページの履歴は残り、あとで使う人がそれをたどれてしまいます。利用し終わったら、閲覧履歴を消しておきましょう(左下)。入力したパスワードを消去するよう指定することも可能ですが、頼りすぎるのはやはり危険です。以上の操作をしたあとは、必ずブラウザーを終了しましょう。
ウィンドウズ・ビスタには、「ユーザーアカウント制御」という機能があります。プログラムのインストールや実行をする際、利用者が自覚して操作しているか確認するもので、ウイルスなどをうっかり実行することを防ぎます(右下)。自分がプログラムを実行した覚えがないのに、この画面が出てきたら、キャンセルしましょう。一見わずらわしいため、パソコンに詳しい人に、この機能をオフにしてもらおうとする人がいますが、オフにしてはいけません。
仕事を持ち帰って、自宅のパソコンで続きをする人はいまだに多くいます。その場合、家族共用のパソコンは極力避けましょう。高校生や大学生の子どもがウィニーなどのファイル共有ソフトを動かしているのを知らずに仕事に使い、重要なデータが流出するケースがあります。仕事に使うなら、パソコンは家族用と別にするのが原則です。(丹治吉順)