今週と来週は、学外での用事がとても少なく、その一方で来客があり、宿題はたまり、中間試験などもあり、というような過ごし方です。
公開講座について
公開講座を楽しみにしてくださる方々からメールをいただき、とても嬉しく思っています。2003年からはじめた公開講座は、大蔵先生との思い出のひとつでもあり、僕は、マンネリにならないような工夫をしながら、ずっと続けていこうと思っています。いくつも試行錯誤をしてきました。横浜国大の工学部の他の分野の先生をお招きしたことも、横浜駅前でやったことも、大学の学園祭のようなものとあわせたことも、同窓会総会(ホームカミングデー)とあわせたことも、いろいろやってみました。今年は、すごくシンプルに戻しましたが、それでも、営業の成果あって、いやいやみなさまの多大なるご協力の結果、170名ものお申し込みをいただきました。
みなさますべてに心ゆくまでご満足いただけるかどうかは、甚だ不安で、きっとたくさんお叱りも受けるのだと思いますが、そういうことは真摯に受け止めて、次へと展開していきます。
今回の講座の意図は、何年か前の僕と同じで、岡村先生に本を書いてもらおうという戦略になっています。まだ出版社にも相談していませんが、今回の講座の内容をメインにして、なんとか出版にこぎつけようという魂胆です。これはきっとうまくいくと思います。僕はその応援と余興の準備に余念がありません。懇親会で、なつかしい方々と少しずつでもお話ができればそれも嬉しく思っています。
6月16日に函館で、ASEANの次官級交通会議にて講演をさせていただくことになり、英語でしかも30分ちょっとではありますが、日本の都市交通計画の基本のところ、そのいいところをわかってもらい、そして、ASEAN各国にやる気になってもらおう、という戦略にしました。日本から押しつけて、こうやらないとだめだ、というよりは、同じようにやらなくてもいいし、同じようにやるにはこういう苦労があるし、でも経験をもとにすれば、こうやってすすめる方法もあるし、それはきっと、これからの都市交通にとってプラスですよ、というお話の進め方だろうと思います。僕はJICAの業務にもJBICの業務にも、そしてODAにもほとんどかかわっていないのですが、ASEANからみた日本というのは肌で感じています。アジアの中で日本が何をすべきか、何をしたらいけないか、も何となく考えています。そういうところもうまくつなげてプレゼンできればと思っています。僕が尊敬している日本大学の福田先生と、この件でも意気投合し、二人で分担して、ちゃんとがんばろう、ということになりました。
何度も書いていますが、まわりの同業の先生方のおかげで僕がいます。僕ががんばれるのは、そういう人たちのおかげです。で、まだまだなところもありますが、がんばっています。
学生さんたち
新1年生の専門科目のひとつが、教授の先生が交代で教える科目です。ようやく僕の番が来て、火曜日に講義しました。ここ数年でいちばんノリがよかったです。僕のいけないところですが、ノリがいいクラスにはサービスしてしまいます。例年は話していないような話までしてしまいました。でも、聞いてくれるし、講義の終りの小テストをみると理解もしてくれているようだし、嬉しい限りです。一方で、とても素直な分、例年より質問が少なかったかもしれません。
でもでも、講義を通して、いろんなことを考えてくれる、ものの見方や考え方が変わっていく、成長していく、そういうのを実感できる瞬間は、いわゆる教師冥利につきます。この子たちが育つのを見届けたいな、と毎年思ってしまうわけです。もう28歳も年下なのにね。
多くのお客様
今日は合計4件のお客様でした。就職関連でのOBの訪問、チーム中村への仕事の依頼、YNU交通戦略関連での道路管理者のご訪問、そして普段はご縁のない雑誌の取材でした。横浜国大自体をフィールドにしたいろいろな企画も動きそうです。モビリティデザインチームへの依頼があるのも嬉しいです。雑誌の取材も、先方の意識が高いときはとても楽しい議論ができます。OBが元気なのをみるのも嬉しいです。
横浜駅西口の案件の活動をしていて、みんなと議論していて、どんどん手応えがはっきりしてきています。
自分たちがやろうとしているモビリティデザインとは何なのか、CTM(総合交通管理)の技法を借りながら空間に落としていく作業の意味は何なのか、TSM(交通システムマネジメント)、TDM(交通需要マネジメント)、そしてMM(モビリティマネジメント)というのを一通り勉強したうえで空間に落としていく作業の意味は何なのか、具体的な区域を対象とした都市交通戦略の立案について、プロになっていくようなイメージです。
地区の中でモビリティをデザインしている自分たちに、うちの学生さんたちはきっと気づいていくのでしょう。単位も謝金もつかない、この作業が、彼らに、そして僕にもたらしてくれている意味は大きい。こういう演習課題をやっている大学はきっとあまりないだろうと思っています。その意味でも、僕らは幸せ、そして課題が外からやってくることにも感謝ですね。西口はもうすぐ仕上がる。次の課題は、三浦市です。そして福岡、、秋冬は都内某所をフィールドに、それで今年度はいったんおしまいになる予定です。