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高速バス、東北乗り放題 「3日間パス」12月から3カ月
東北6県の高速バスの各路線が3日間乗り放題になる共通パスが、12月から3カ月間の期間限定で登場する見通しとなった。国内外からの観光誘客の拡大やバス事業の活性化につなげようと、東北観光推進機構や東北運輸局などが実証実験を呼び掛け、各県のバス会社も大筋で参加の意思を示した。本格的な事業化は実験結果を踏まえて検討される見通しだが、東北の広域観光を後押しする強力な「武器」として注目されそうだ。
実験案によると、共通パスは名称が「東北オクトパス(仮称)」。仙台を中心に、各拠点都市からたこ(英語でオクトパス)足状に路線が延びる東北の高速バス網をイメージした。
高速バスのほぼ全路線と、幹線道路を使う一部の都市間バスをカバーする方向で最終調整している。
価格は、大人9000円を予定。11月ごろからバス会社の窓口や旅行会社で販売することを想定している。需要が急増する年末年始は実験期間から除かれる見通しだ。
広大な面積に見どころが点在する東北の広域観光は、駅や空港と観光地、観光地と観光地を結ぶ「2次交通」の整備が課題とされる。「国内だけでなく海外からの旅行形態も団体から個人へと移りつつあり、使い勝手がよい仕組みづくりが急務」(東北観光推進機構)となっていた。
東北運輸局が1月、東北の高速バス利用者約730人を対象に行ったアンケートでは、乗り放題パスがあれば使うという回答が60%以上を占めた。三大都市圏の住民を含めたインターネット調査でも設定価格次第ではニーズが高いことが判明。運輸局などは「新規需要の開拓が見込める」と判断した。
東北の一般路線バスの利用者は減少傾向が続いているが、高速バスの利用者は年々増加している。ただ、ここにきて、高速道路の自動料金収受システム(ETC)利用車を対象にした高速料金の休日割引制度の影響で伸びが鈍化。バス業界にも新たな利用促進策を求める機運が高まったとみられる。
2009年07月12日日曜日
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