|
−役柄−
・王女(1)
・召使(1)(劇場での呼び名はレン)
・赤き鎧の女剣士(以下女剣士)(1)
・青の王子(1)(劇場での呼び名はカイト)
・緑の娘(1)(劇場での呼び名はミク)
・大臣(1)
・兵士(4)
・劇場に上がる民衆(以下民衆)(6人程)
・支え役(4)
・街の木役(3)
・ナレーター(1)
○大道具(8人程)
○音響(1)
○照明(左右合計6)
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
劇開始、銀幕が上がると同時にBGM流し出し照明をナレーションに当てる
【ナレーター】むかしむかしあるところに
悪逆非道と呼ばれる王国がありました。
当時その王国の頂点に君臨していたのは
齢14歳のまだ幼さの残る王女様。
しかし彼女の命令や行動はまさしく悪そのもので
民衆達を苦しめていたそうです。
そんな彼女はいつしか名高い暴君となり、つけられた二つ名は �牋�ノ娘″
自分以外の全てを見下し隣国をも滅ぼしたとされる彼女には
お似合いの名前だった事でしょう。
これから会場の皆様に御披露致しますは、そんな彼女にまつわる悲劇です。
どうぞ最後までご覧下さいませ。
照明：消灯
落としている間に王女、召使、女剣士、女剣士を捕らえている兵士数名スタンバイ
位置として王女を中心に王女の左横(上手)に召使、王女の前に女剣士、女剣士を捕らえている兵士とする。
表情や仕草に関しては王女は第一部が終了するまで設置されている椅子から離れず、肘を付いた状態を保つ様にする。召使も女剣士に剣を向ける等の動作以外は王女の左横に立ち、少し頭を下げた状態にする。
スタンバイ完了後音響:1曲目再生、約1分間の1曲目終了(に合わせてｶｰﾃﾝｵｰﾌﾟﾝ)後
【王女】(命令する様に)さあ、跪きなさい
照明：王女の台詞後、劇場中心(スタンバイしている役全員が見える様に)照らす
【女剣士】(歯向かう様に)嫌よ！何で貴女なんかの為に・・・
【王女】(見下した状態で)何？私に逆らうの？
【女剣士】(俯いて)・・・夫を・・・主人を・・・返して！
【王女】(少し苛立ち見下した状態で)・・・は？主人？誰かしら？
【女剣士】・・・2週間前貴女の命で捕らえられた黒髪の男よ。覚えていないの？
【王女】(召使に問いかける)あー。えーっとー・・・。レン、黒髪の男って誰か分かる？
【召使】(淡々と)はい。おそらく先日反王政集団と共に処分した男の事でしょう。
【女剣士】(嘆く様に)嘘でしょ・・・そんな・・・な・・・何で・・・
【王女】(微笑しながら)あー、あの男ね。はいはい。だって騒がしかったんだもの。
【女剣士】(泣きそうな声で)そんな理由で・・・・。何故、何故貴女は！貴女はそんな冷酷な事が平気で 出来るの!?
【王女】(笑顔で)あの男がどうなろうが私には関係無いもの。
【女剣士】っ!!!(王女に向かって殴りかかろうとする)
【召使】(王女の前に出て女剣士に剣を向ける)無礼者、王女に近づくな。
【王女】(払いのける様に兵士に命ずる)早く降ろしなさい。
【女剣士】(再び兵士捕らえられる)この！このぉっ！
【兵士】(女剣士が動けない様に捕らえる)ほら早く降りろ！
【女剣士】(身体を前に乗り出して)嫌よ！離して！こいつを！王女を殺してやる！
【王女】(笑う)は？あはははははは！貴方見たいな貧民に私が殺されると思ってるの？
【女剣士】(出来れば泣きながら)あんたなんて！あんたなんて・・・・ いつか復讐してやる！
【王女】(笑うのをやめ、見下しながら)ばっかじゃないの？あの男と同じで騒がしいわね。
【兵士】(女剣士を引き摺りながら)ほら行くぞ！早く降りろ！
【女剣士】(兵士に引き摺られながら)うあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!(叫びながら兵士に連れられ退場)
退場を確認した後
【王女】はぁ(溜息)、朝から騒々しいわ。レン、朝食にしましょ？
【召使】(一礼して)では準備を致します。少々お待ち下さいませ。
【王女】(笑顔で)ありがとう。
照明：消灯
第一部終了
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
消灯中召使は退場し、豪華な椅子等片付け終了後、大臣登場、テーブル・椅子・ドアを運び入れる
ドア越しに客席から見て左側に王女、テーブル、椅子を設置、右側に大臣スタンバイ
照明：召使、大臣側を中心に照らす
と同時に召使は朝食として準備されている小道具を手に持ち劇場に歩いていく
会話は立ち話の様な感じで
【大臣】(通りすがった召使を呼び)ああちょっと待てレン、今後の王女様の御予定についてなのだが。
【召使】(気付いた様子で)ああ大臣ですかどうも。
【大臣】(手を口の前に置き)オホン(咳払い)、さて話の続きなのだが。急遽ながら明日(あす)王女様には 隣国へ向かってもらわねばならなくなった。
【召使】何故ですか？
【大臣】隣国との和親条約を締結する事が目的なのだが、今回の機会を逃せばあと数年は締結出来なくな ると思われていてな。しかし条約は我が国の立場を安定される上で必要不可欠だ。
【召使】はぁ・・・。
【大臣】つまり明日隣国へ出向かなければ我が国の立場が危ういものになるわけだ。
【召使】で、それを王女に伝えろと
【大臣】その通りだがもう一つあってな。明日隣国に王女様が出向く際に付き添う者がまだ・・・
【召使】(伺う様に)それを僕にしろと言うわけですか？
【大臣】(召使に歩み寄り肩に手を置き)是非ともお前にお願いしたいところだ。
【召使】はぁ・・・。分かりました、大臣。
【大臣】(笑顔で)おおありがたい。
【召使】では王女にお伝えしておきますよ。
大臣との会話終了後召使は左側(王女側)にドアを開き歩いて行く
照明：召使、王女側を照らす。大臣は退場
【召使】(朝食をテーブルに置きながら)王女、明日(あす)は隣国へ出向かなければなりません。
【王女】ぇ・・・何で？
【召使】和親条約締結して来て下さいと先程大臣から伝言を頼まれました。
【王女】(朝食を食べ出す動作をしながら)あー・・・、めんどくさいわね。
【召使】面倒くさい状況が変わるわけでは無いと思いますが僕がお付き添い致しますので。
【王女】分かったわ・・・
【召使】有難うございます
【王女】じゃあ早速明日の準備をしておいて頂戴。
【召使】(一礼をして)かしこまりました。
召使退場
照明：召使退場後落とす
第二部終了
|