タレント・ビートたけし(62)が11日、都内で行われたテレビ朝日・ABC系のバラエティー「ビートたけしのTVタックル」(月曜、後9・00)の20周年記念記者会見で、宮崎県の東国原英夫知事(51)に次期衆院選への出馬を断念するよう忠告したことを明かした。10日夜に東国原知事と会食し「とにかく謝って宮崎に帰れ」と進言。師匠のアドバイスが利いたのか、東国原知事は、この日愛知県内での講演で「県民の意思もあるので、重視しないと」と一転出馬に弱気な発言を漏らした。
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自民党からの立候補要請を受けて、衆院選出馬への意欲を見せる東国原知事に師匠のたけしはきっぱりと断念するよう進言した。たけしは10日夜に都内で2時間ほど東国原知事と酒を酌み交わしながら会食。その日すでに3軒目でかなり酔っぱらっていたそうだが「とにかく謝れ。謝って宮崎に帰れ」とこんこんと言って聞かせた。
たけしは、麻生政権の支持率の低さや知事職をなげうってまで選挙に出ようとする東国原知事への反発を本人以上に敏感に感じているからこそ、苦言は弟子への愛のムチ。「逆風どころじゃない、頭の毛が全部なくなるぞ!」とたけし節でたしなめたという。
「自民党総裁候補にする」「全国知事会の要望を党の政権公約に盛り込む」などと自民党の出馬要請に関し、仰天要求を提示。強気な姿勢で世間を驚かせてきた東国原知事。師匠からの厳しくも思いやりのある説得に「考えさせてもらいます」と態度を保留していた。
だが、一夜明けたこの日、愛知県内での講演で「県民の意思もあるので、重視しないと…」と弱気発言。「『東国原をつぶせ』というのをすごく感じる。これが霞が関の抵抗。私は吹き飛ばされてしまうと思う」などと続けた。これまでも「予想以上に自民党内外も逆風が強い」と支持が得られていないとの認識を示していたが、それに加え、前夜の師匠からの忠告が効いたのかもしれない。
たけしがメーン司会を務める「-TVタックル」は89年7月3日の放送開始から20年。これまでに舛添要一厚生労働大臣(60)、丸川珠代参院議員(38)、田嶋陽子元参院議員(68)ら、ゲストや出演者から国会議員も誕生している。だが今回、弟子の出馬に関しては、ストップをかけた。